昭和建築学会


昭和の建築物や路上にあるオブジェなどを中心にご紹介します。

昭和建築学会 第100回 旧吉原(千束三丁目、四丁目)の早朝 その1

2016年04月12日 | 建築

以前、北千住やら向島に行ったのだが、それらは元遊郭。

吉原は、現遊郭。吉原といえば、誰でも名前くらいは知っている。しかし、新宿やら六本木やらのほうが、おしゃれな風俗店が多いし、やっぱり吉

原は基本的に場末で古びていました。

 

 

僕が行ったのは、ちょうど酉の市(三の酉)の翌日。ごみだらけと思いきや、きれいにごみはまとめてありました。

 

 

まだ、あたりは薄暗いです。こういう看板を発見。

「働く女性」のための性感染症予防検査専門、と書いてあります。

その名も、新吉原会(暴○団の名前みたい)、新吉原診療所。

他の婦人科の病気は診てもらえないんですかね?

 

 

ちょっとおしゃれな住居を発見。

 

 

先ほどの建物の右?

 

 

南無阿弥陀仏?

 

 

神仏習合なのでしょうかね? 鷲(おおとり)の命を、神社で祀ってあったはず。

おおとり、だから「とりのいち」はさぞ盛り上がったことでしょう。

 

 

うん、まあまあという感じの角建築ですな。

 

 

ここは千束三丁目。

 

 

長國寺という立派なお寺。なんか、電気がこうこうとついていて、さっきまで祭りの後かたづけしてましたというところ。

 

 

少し歩きました。なんてかいてあるのかいな? 長國寺とは関係ないのかいな。

 

 

クイズ、二枚の写真の大きな違いをあげよ。

こたえ、一枚目はまだ信号に電気がきてません。二枚目ではきてます。

連続して撮ったのにいいタイミングでした。

 

 

鷲在山 長國寺。やっぱり神仏習合ですな。

 

 

人に聞かないと分からないのですが、ラブホがけっこうあったんです。

お客さんがチェックインして、ソープの女性を呼ぶというのはありなんでしょうか?

ホテル代、もったいないな……。

 

 

ぼけてて済みません。何気に赤の柵が曇った朝に映えていました。

 

 

さすが下町。1円パチンコの専門店、みのやさんです。

 

 

何か、怒ると怖いけど人情肌のおじさんがやってる紙屋さんってところ?

 

 

やっぱり、浅草は浅草。マイナーなお寺もたくさん……。

 

 

吉原の掲示板に、小学生の女の子が描いたかわいい画。

それと、児童虐待通報電話189……、悲しいけど現実なんです。

こどもがいるから働ける。

しかし、こどもが言うことを聴かないから叩いてしまう。

元夫からDVやストーカー行為を受けている女性も多いと思いました。

 

 

印刷屋さんなんですが……、

お寺のお布施だけでは食べていけないので、印刷屋さんをはじめたんでしょうか?

 

 

歩道からすぐ階段が続いています。一番下の階と歩道の部分が、

きわめていいかげん

に補修されてあります。

 

 

いいたいことは、分かりますが、これを書いたのは警察官じゃないと思うなあ。

 

 

先ほどの長國寺、寮完備なんだ……。

 

寮の部屋、見せてもらえるなら見てみたいです。

 

 

吉原は親切な町だなと思いました。

おしっこがたまってると、イザっていうとき(なにがイザだ!)出ないんです(笑)

よく見れば、酉の市につき、トイレの場所を書いた地図でした。

 

 

正体不明の看板。ひいき目に見て、カトリックのシスターによる、女性の悩み相談所? 

ただのつまらない飯屋かな?

 

 

何気に撮ったのですが、なんか半泣きになりながらやけっぱちでリフォームしているお家のようです。

三枚目。郵便受けがけなげですね。それと番地を書いた青い札も。

 

 

これは、バルコニーの部分が⊿になってる?

 

 

ここにもトイレマップが。

 

 

より詳しいです。

 

 

ここまでくると、かつて尿害に悩まされた過去があるような……。

そして、過去のある女性の働く吉原の町。

 

 

ん、なんだろう?

 

 

酉の市の時の臨時トイレのようです。

しっかり縛ってあるのが、台東区と市民の堅い信念を思わせます。

 

 

僕が命名した「解放区」という物件。ここもしっかり過ぎるほど、柵がみごとです。

いたずらで消されているところに、自由に言葉をいれるのも暇潰しにいいですね。

「(エッチなおねえさん)の柵内への連れ込みはご遠慮ねがいます」

場所が場所だけに、「連れ込み」という言葉によこしまなニュアンスが……。

 

 

託児所。ソープのお姉さん、こどもかわいがってあげてくださいね。

 

 

やっぱりあったサウナ。とにかく、肉体的にきつい働きをしますからね。

 

 

とりあえず、気になりました。元は何屋さんだったのでしょう。

隣家が取り壊され、この家も塗装をし直したのでしょう。

 

 

つっこみどころ満載。

まず、道路と玄関の戸の間が何ともいいようのない四角形。

玄関の庇の切れ込み具合なんてすごくいい。

通用口のブロック、かわいいな。

 

 

まあ、区役所と町総出でごみを集めたというところでしょうか。

弁天様を見に行きます。

 

 

なんと神々しい……。

やはり遊郭の四谷荒木町でも弁天様が祀ってありました。

女性の神様だから、色町にはつきものなのでしょうか。

 

 

しかし、弁天様のとなりには、このようなど派手なペイントが。

弁天様は若いころ、ぐれていてヤンキーやってたんでしょうかね。

 

 

吉原は、大戦で焼けています。名もなき遊女たち。身元不明性別女性、しか分からない

女性たちの墓。泣けます。

 

 

これは、不信心を咎めるのではなく、

足元が線香の脂だらけになるのを禁じたものでしょう。

 

 

ふうむ、吉原神社というのもあるのか……。

 

 

吉原の公園のといれは、外観も中もすごくきれいでした。

 

 

発案は悪くないけど、鯛焼はあんこだけの方がいいです。

 

 

迷子になる人、多いのかな……。

 

 

最初は、

「おひとりさま参拝順路」

と書いてあるのかと思いました。

つまり、その、ソープへきた「おひとりさま」にお店を紹介するところが矢印の先。

お酉様、とはだいぶ後になってから知りました。

 

 

実直そうな郵便うけですね。

古びた木もいい感じ♪

 

 

保育所。0歳よりお預かりします。

泣けます。

 

 

これも、すこし気になる物件。

 

 

元軒並みお店屋さん、飲み屋さんだったのでしょうか?

 

 

振り向けば、やや厚めのカミソリビル。

角の部分にシャッター! 角建築としても優れています。

 

 

この美容室に行くと、こんな大阪のおばちゃんみたいにされちゃうんでしょうか?

 

 

これも、つっこみどころ満載。

青いトタン、屋根のトタンがもう何ともいいようのない四角形。

しかも、こんなにうらぶれたところにスプレーの落書き……。

傾いた屋根に乗っかるバルコニー。

いろんなものが凝縮されてます。

 

 

正面から。

あらためて、屋根のいびつさを鑑賞。

斜め格子の窓(?)これは何なのでしょうね?

 

 

わずかばかり突き出た屋根(?)庇(?)なんで、瓦をのっけてるんでしょうか?

けど緑の格子と赤いたぬき、赤いポスト、いい感じです。

 

 

これもです。そもそも無用庇ですよ。

ひょっとして、その昔は、この屋根の下の細い窓から、女性が「おいで、おいで」していたのかも。

考えすぎ(?)

 

 

堅牢無骨な角物件。人にたとえれば、すごく屈強な土木作業員。

 

 

落書きのニューウェイブでしょうか。ただ、下手なだけでしょうか?

 

 

また戻ってきてしまった。

 

 

おひとりさま歓迎♪

 

 

「婦人物」という言葉に哀愁がありますな。

ジャケット、セーター、その他 ¥100

ジャンパー¥300

品が悪いとお思いの方へ。

衣料の激安店に行くと、確かに悪い商品は多いのですが、

丹念に品物を探すと非常にお得なお買い物ができるのだそうです。

 

 

吉原で、共産党を支持する人たちいるんですかね?

しかも、反戦ポスター。反戦では飯は食えないですよ。

「ふふふ、俺のテッポウも大きくしてくれよ」てなベタな客はさすがにいないでしょう。

 

 

重大発表。このような母屋のあとに継ぎ足した納屋その他の建築物を、

継ぎ足し納屋

と呼ぶことにします。

しかし、日本人の技術力には脱帽です。

 

 

ただのカミソリビルじゃない。

窓がない! なんかの塔としかいいようないです。

 

 

ああ、見ていてエクスタシーを感じます。

波形トタン、裸の鉄資材、それを縫うように走る塩ビパイプ……。

階段があるのでしょうが、斜めになっている波形トタン。

うーん、参りましたー。

 

 

洋食屋さんか何かでしょうか?

 

 

惜しい。とんかつ屋さんでした。このビニール庇ポップでいいな。

 

 

道に面した壁がキリコ物件となってます。そうして二階部がのぞいている。

みごとな造形美です。こういうのを見つけると町歩きはやめられなくなりますな。

 

 

テレビゲーム喫茶。テーブルがゲーム機になっていて、

今もインベーダーゲームやテトリス顕在なのでしょうか?

 

 

角建築。これは文句なしに美しい。

 

 

柵(というのか)の向こうは観葉植物、手前は手入れの整っていないプランター。

園芸間格差。

しかも、考えてみたら、この柵のある一帯、トマソンですよ。

 

 

怪しげな個人医院だけじゃなく、区立病院もある。人の情けにむせび泣く~。

 

 

ミ ですよね。

 

 

この、イーッとしてしまう尖った木、猫よけなんでしょうか? 

それとも、鳩よけ?

 

 

また、斜めの格子に遭遇。元飲食店の厨房に面した窓なんでしょうか?

 

 

この頑丈なコーン、誰がなんのために、というより、

そもそもどうやって折ったのでしょう?

フロイト的匂いのする吉原謎コーン。

 

(つづく)