Fuego's ベジタブルガーデン  

ナチュラルガーデナー Fuegoが勧める自然流栽培の菜園ライフ♪

大蒜の自然栽培(後編)

2019-06-13 09:18:26 | 栽培記録
前回に引き続いて年明け後の作業です

寒冷紗トンネル状態の越冬(2019/02/22)

畝間には枯れた草で敷き草をしつつ
寒冷紗のトンネルをかけたまま越冬させていました。

寒冷紗の撤去(2019/03/01)
トンネルの高さに葉や茎が到達する前に寒冷紗を撤去します


畝には根の浅い雑草が生えています

これが生えているおかげで畝に敷き草する必要がなく
土が固まることなく柔らかい状態を保てます。

畝間に敷いた草の茎や葉はしっかり枯れ落ち


枯れた部分をめくると
土に触れている部分が半分腐植しています



土寄せ(2019/03/02)
越冬して春を迎え最初の土寄せです。
畝間に敷いた草の枯れたものだけを払いのけて
腐植している部分だけを中耕・土寄せしながら高畝にします。


中耕が終われば畝間に払い除けた枯れた草を戻しますが、
枯れた草がほとんどない状態です。

畝間を掘り高畝にすることで水はけが向上し、
大蒜が植えてある深さが畝間よりさらに高くなれば、
陽当たり面積が増えて土中温度が上がります。

半分腐植した草と土が畝にかぶさることで
微生物たちが分解をはじめ自然堆肥が土中養分となるので
所謂「追肥」を行ったことと同じことになります。


あとは、抽苔して上がってくる花芽を随時摘み取り
茎や葉が枯れて収穫できる頃まで待つだけです。

試し掘り(2019/05/16)
いち早く枯れた大蒜の株があったので2本ほど抜き取ってみました。



大蒜がある程度肥大・成熟してくると根の張りも弱くなるので
農具を使わなくても手で軽く引き抜けるようになります。


収穫・根切り・追熟乾燥(2019/05/22)
最初の試し堀りから6日ほど経過すると更に枯れてきた株があり
二回目の試し堀をしました。
そのあと、
収穫直には「根切り」を行い鱗茎の肥大を止め
前回収穫した大蒜と一緒にして風通しの良い日陰に干して
余分な水分を抜きます。




仕分けと保存(2019/05/26)
今年はなぜか一斉収穫とはいかず、
追熟の様子を見ていると肥大生長に差があるようで
本格的にとはいかず様子を見ながら収穫する状態が続いています。
追熟乾燥を終えた株から鱗茎を切り離しました。
この段階で、
大きな鱗茎を優先に次期栽培用として仕分けしておき、
切り取った茎は菜園に持ち込んで敷き草として使用します。





保存(貯蔵)に使用したネットは、
地鶏卵の販売パッケージとして使われたものを再利用しています。
ワンタッチで口元を縛って吊るせるので非常に便利です。
難点なのは、あまり多く詰めすぎると重さに負けて
閉じ口締め具が重さに負けて解けてしまうことですね。


混植(2019/05/29)
大蒜の追熟状態を観ながら株間に南瓜の苗を混植していきました。
大蒜の株間は土が柔らかいので、
植えたい所を移植鏝(イショクゴテ)で解して植えるだけで済みます。
南瓜の苗が幼い過ぎたり生育が弱いと防虫ネットをかぶせないと
害虫に葉を食害されます。






今回は、不織布のネットが不足していたため
被せられない株もありましたが、そのままな何もしなくても
食害されることがなかったですね。


収穫最盛期(2019/06/02)
残ったニンニクを全て掘り上げて
ベランダの日陰に干して追熟乾燥させました。
これで菜園に育てた大蒜全て収穫したことになります。



貯蔵と収穫量(2019/06/06)
今年の大蒜は全部で3.5㎏ありました




鱗茎の肥大も大き過ぎず小さ過ぎす程よく納得が行く育ち方です。


次期栽培用の鱗片も納得のいく形状です。




年々形質や収量が安定してきました。
手ごたえとしてはあともう少しといったところですかね。






大蒜の自然栽培(前編)

2019-05-24 18:28:29 | 栽培記録
大蒜の栽培

今年も大蒜の収穫が始まりました。
ご存知の通り、
菜園で育てた大蒜は100%無肥料無農薬栽培です。

数ある野菜の中でも栄養を多く求めることから作物で
肥料投入や追肥が欠かせない作物でもあります。

そのため
形状・旨味を含む品質が整う作物に育てるには
耕土の「土つくり」が大切と言われ
無理なく肥沃な土壌にすることが大切な要素となります。

有機肥料や追肥をしないで育てるには、
自然腐熟する素材の選定や使い方の他に、
自家採種と栽培を繰り返していくと品質が安定してきます。

収穫と保存(2018/06/03)
昨年収穫した大蒜は、風通しの良い日が下で乾燥保存しておきます

この段階で、栽培用と食材用を仕分けしておきます。
選別の基準は、
鱗茎全体形が大きく肥大し均整の取れた鱗片分裂状態から優先し、
それ以下が食材・加工用になります。

選別と植え付け(2018/10/28)

選別しておいた、栽培用の鱗茎を1辺づつほぐしながら、
疵痛みや萎縮。カビの有無を確認し、該当するものを除外します。
この時、
鱗片単位あっても大きくて肥大している状態を優先しながら、
栽培用の鱗片全体を均質にします。



植え付ける前日に鱗茎をほぐし、
選別しておいた鱗片を植えるのですが
最近では皮を剥いて植えつける方法があります。

皮を剥いて丸裸にすることで発芽促進されるようですが、
この方法は土壌細菌の事を考えれば諸刃の剣でしようね。
水分を含み柔らかく弱いからこそ皮を纏い保護されているので
剥いてしまえば未防備です。

一つ間違えると植えつけるときに傷つことがあり、
栽培途中で腐敗や病気を引き起こすことがあります。
もし皮を剥くのであれば最後の一枚は残す方方がいいし
鱗片の状態(疵傷み・カビ・萎縮)の確認も充分兼ねられます。

植え付け時期の目安は
地域の気候状態で左右されますが
概ね10~11月初旬に植え付けを行います。

畝は幅60~80cmの低い平畝を起こしますが。

畝幅の中心から見て左右15cmずつの条間を置いて
株間を10cm間隔にしながら、
設えたときの畝間の高さと同じ深さに鱗片を植え付けます。

植えつけが終われば寒冷紗のトンネルを設置して
寒冷紗の上から灌水して発芽を待ちます。

発芽育苗管理-1:2018/11/08
植え付けから10日経過してから発芽し
ました。
発芽すれば、土が乾いていたら湿らせる程度で水を与えます。

このころには、サツマイモの収穫が終わる為
芋蔓を畝間に敷いて乾燥除けをしつつ自然腐熟させます。

発芽育苗管理-2:2018/12/21

この頃になると自生していたコスモスなどの草花が枯れ、
オクラなどの収穫&自家採種が終わるので
株を刈り取って敷き草として畝間に敷き足します。

さらに、短くした茎などを任意くの条間の敷いて
畝の霜よけ対策を済ませて越冬させます。
水遣りは直接与えないように畝間潅水をおこない
土中湿度状態を過湿に陥らないようにします。

シカクマメの栽培

2018-12-08 03:16:35 | 栽培記録

シカクマメ(四角豆)
学 名:Psophocarpus tetragonolobus (L.) D.C.
分 類:マメ科シカクマメ属(常緑蔓性多年草※日本では一年草)
別 名:ウズリン豆、シカクマーミー 原産地:熱帯アジア地域

原産地域で栽培される在来品種は短日性が強いことから、

沖縄県以外では開花結実する時期(9月〜10月)だと気温が足りないため露地栽培は難しかったようです。

それを国内で品種改良した「ウズリン」という品種は、

夏(7月〜9月)でも開花結実する様に改良が施され栽培が進みました。

食用部位は、葉、花、さや、種子、イモ(塊根)など、

すべての部分が食べられるので捨てる部位がなく、

栄養の宝庫ともいえる作物です。

 

シカクマメに含まれる栄養素には、

ビタミンB・鉄分・食物繊維・カルシウム等の他に 抗酸化作用が強いカロテンやビタミンCが含まれ、

生活習慣病予防や免疫力を高めたりする働きがあります。

そのほかには、ビタミンKを含んでいるようですが、

この栄養素は、ほぼ野菜でしか摂取できないという脂溶性のビタミンの1つで、

体内でカルシウムを骨に定着させたり、 血液を凝固させる成分の合成に働くようです。

 

栽培する切っ掛けとなったのが、

マメ科なのに「根が肥大して食用になる」点ですね。

マメ科のほとんどは、根の部分に窒素養分を固定する根粒菌が付着し 、

その菌が栽培土壌の窒素還元を行うという”緑肥効果”があります。

 

マメ科の根は、

土に対して栄養を与えるだけの働きと言う固定概念が、

180℃ひっくり返された処に興味を持ちました。

此処からは、栽培終了までの経過を追った記録です。


【シカクマメの栽培記録-2018】

2018/06/23…播種

通常の栽培なら播種が4月下旬以降に播き、

苗を植え付けるなら5月下旬以降が適期です。

しかし、 自身の体調不良もあり 適期よりも約1か月遅れになってから、

自宅のベランダにて 土を入れたポリポットに20株分のタネを播き、

発芽を待つことにしました。

 

2018/06/30…発芽(播種から7日経過)

20株分を播いた中から13株分が発芽しました。

発芽したものは其の儘ポットで育苗し 、

植えつけられる苗まで育ててから 圃場に持ち込んみ植えつける予定です。

 

2018/07/03…育苗(播種から10日経過)

タネを播いた20株の中で 未発芽分の経過を見ていたけど気配なし。

土を返してみると、 発芽する前に蒸れて傷んでいました。

それらを間引くと 最終的な育苗中の苗が14株となりました。

 

2018/7/12(播種から19日経過)

私的な行事(葬儀・法事)やら天候不良等で、

植え付けが日延べになっていたのですが、

ようやく畑(菜園)に定植できました。

あとは苗が活着し蔓が伸びるのを待つばかりです。


2018/09/13…開花(播種から83日経過)

空き地だった隣地が売却され家が建ち始めると、

豆を植えた場所の陽当たりが低下したようです。

そのため株の育ちが遅く、

ようやく葉を茂らせてみても、

肝心な開花を見ることがなかったのですが、

やっと咲きました。


2018/09/28…収穫(播種から98日経過)

開花を見せても、その後に受粉・結実して

実際どんな実が育つのか…その日を待ち望み、

やっとその姿を映像に納めました。

結実するようになれば、

あとは放任していても勝手に次々と実を結ぶのがマメ科の良い処です。

それにしても面白い形ですね~


2018/10/13…収穫(播種から113日経過)

一度実をつければ次々と・・・ 日を経るごとに収穫数が少し上がるも、

植えつけた株数が少ないのか?

土壌や気候が合わないのか?

豌豆やササゲのように 「てんこ盛り」に実が付くとはいかないようです。

例年なら10月頃だと気温が下がるころですが、

今年はどうも暖かい日が長く続いたことで、

枯れずに実をつけていられるので天候に感謝ですね。


2018/11/26…自家採種(=収穫…播種から157日経過)

収穫できる莢の中から育ちが良好な莢を数本選別し、

収穫せずにそのまま追熟させていました。

これを来年用のタネ(豆)にするわけですが、

その第一弾を収穫しました。


2018/12/06…塊根の収穫(播種から167日経過)

シカクマメは、根が肥大して塊根が形成され、

その塊根(芋)も食用にできるようです。

ただし、

花を咲かせて実を結ばせると、

栄養は実をつけるほうに優先されるため、

芋の付きが低下するらしいです。

莢実よりも根を収穫したいのなら、

収穫する株を決めたら花を咲かせないよう、

常に花芽を摘み取る作業が欠かせなくなります。

だけど、 初栽培であるにもかかわらず、

莢も根も両方収穫したい欲張りがでてしまいました。

ましてや、

花を常に摘むなど面倒だから、

放任してどこまで根が育つか試してみたい…

その答えを得る機会がやっと来ました。

これがシカクマメの塊根です

この塊根芋を使って一品調理してみたのがこちら ↓

 

レシピはcookpadにて公開しています。⇒ 塊根芋と法蓮草のバター炒め

レシピ未公開ですが シカクマメを使った中華麺も作りましたね

シカクマメ入りの汁なし担々麺


2018/12/07…収穫完了と栽培終了(播種から168日経過)

このところ急激に寒波がやってきたことで 一気に枯れました。

本来は多年草でありながら冬の寒さには滅法弱い

だから国内では一年草だという事がよくわかりました。

そこで枯れた株を根毎掘り上げて塊根を収穫し終えて栽培を終了しました。

収穫した塊根の収量は、今回だけで350gでした。

(前回収穫した分は計測していません)

 

【総 括】

中部圏にある我が家の菜園における 、

本年のシカクマメ豆栽培記録は以下の通りです。

栽培期間:約180日(6ヶ月)程度 (今年の適期遅れ栽培を考慮した概数)

開花:播種から約80日前後

収穫:播種から約100日(開花後約20日)

開花時の積算温度:2360℃

収穫時の積算温度:2700℃

終了時の積算温度:3800℃

補足事項:開花させても肥大した芋が収穫できるようです。