エッセイ

雑記

例えばこんな日

2020-01-25 17:11:32 | 日記

久しぶりにレンタルビデオ店に行った。

滅多に行かない。

DVDは、いつも購入する。

あまりにご無沙汰で、最近どんな映画のDVDがレンタルされているのかわからず、とりあえず行った。

数時間店内をうろつき、ようやく3本ほどのビデオを見つけ、セルフレジに向かった。

さすが土曜日だけあり、こんな田舎でもレジは混んでいた。

ひとつだけ空いている箇所があり、そこに向かった。

たどり着く前に、背後から小学生くらいの女の子が疾風の如くオレの脇を駆け抜け、そのレジの前についた。

一瞬ムカッときたが、よく考えてみれば、レジの前にいるところを横取りされた訳じゃない。

早い者勝ちだ。

まさか、子供に人生の教訓のひとつを学ぶとは思わなかった。

そう思いながら、どこかが空くのを待とうと、スペースの外れに立った。

同時にその女の子がレジの前に立ち、その動きを止めた。

オレの方を振り向く。

レジの操作法がわからないのだろう。

そう思うと同時に、オレはその顔に思わず「あっ」と声を挙げた。

その娘も、オレと同じように声を挙げ、そのまま2人同時に大笑いした。

オレの後ろで、その娘の母親と思しき女が、キョトンとしている。

その前に寄っていた某ファストフード店で会った女の子だった。

喰い終わりゴミを捨てているオレの横に来た女の子。

飲み残しの捨て方から、分別したドリンクの容器の捨て方から目線でオレに尋ねてきた娘で、オレも無言で場所を指さしながら教えてやった娘だ。

まさか、1日に2度も、赤の他人とそうした時間を共有するとは思わなかった。

確率論からいっても、かなり低い数字であることだろう。

教えながら操作しているうちに、その娘のカードが機械を通らなく困った。

店の人間にヘルプを求めると、「コレ、磁器の強い場所に置いたりしていませんでしたかね、お父さん」と来た。

噴き出すその娘をよそに、毎度の如くダークスーツにサングラスの、社会不適合者の恰好そのままに「オレの娘じゃねぇ。こんなガキ知らん」みたいに言っていると母親が来て、「私の娘です」と引き継いだ。

 

よくわからんが、笑った。

よくわからん1日だった。