四時台に起きて墓地へ行ってみれば年寄りは早起きだから
すでに沢山の車が停まっていて
場所を探すのも大変だ。
幸運にも目の前の車のバックランプが点灯して
代わりに潜り込めた。
お墓の草抜きは数日前に済ませておいたので
花を活けるのと線香を焚いて感謝の言葉を述べるだけ。
墓地の草抜きってのが厄介で乾燥しきったこの時期は
草も命がけで大地にしがみついている。
根っこに小石を抱き込んで野に叫ぶ姿は芭蕉のようである。
以前には何度か草枯らしの薬品を散布して
この作業を楽にしたこともあったが
近頃は薬品散布もな~んだか後ろめたくて。
小一時間お墓の前を這いずり回って草を抜くのも
ご先祖との対話時間と考えれば無駄でもあるまいと思うようになった。
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先日ハッカ油スプレーなるものを自作してプシュっとやる容器に詰めた。
爽やかなハッカの香りが気持ち良い。
これで蚊を避けながらの作業だ。
これをプシュ、プシュやって草を抜くのだ。
お墓の周辺には先が鋭く尖って丈の高い草が生えてるので
これは芝生を刈るハサミでジョキジョキと切り飛ばす。
こんなことを数日前にやったので草どもは死骸となって
墓石の周りで枯れていた。
これを集めて捨てに行く。
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お墓は水が好きなんだと誰かに言われたことがある。
で、バケツにたっぷり水を汲み
柄杓で墓石に振りかける。
線香を焚いて
日ごろの生活に感謝する・・・
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で
ふと思うってか当たり前のことなんだけど・・・
オイラが死んだら
この墓のメンテナンスを誰がやるんだろう?と。
かつてはお参りしてた墓も人が絶えて参詣人もこなくなれば
いつしか墓石には透明ビニール・テープが巻かれて
一定時間が過ぎれば
無縁墓地へ集められて山積みの墓石群の一部と化す。
まぁ墓石に先祖の御霊が宿っているとは思わないのだが
な~んだか釈然としないものがある。
この「釈然としないもの」を吹き飛ばすために
親達の世代までは「家」が途絶えることを格段に逃れようと
無理な養子縁組などを取り付けて
次世代の人間に
「釈然としないもの」を押し付けて「安心して?」
死んでいったのだった。
しかし、近年の核家族化時代、しかも東京一極集中時代。
オイラが死ぬときに
遠く離れた故郷の墓地のメンテナンスをしてくれ!なんて
口が裂けても言えないのが実態ではないのか?
それに・・・
墓石の面倒見どころか
オイラ自身の終焉でさえ面倒見てくれなんて言えないのだ。
「釈然としないもの」を受け取ってしまったのだから
これをオイラは懐に抱いて死んじまおうと思ってる。
つまり釈然としないまま死んでやろうぢゃないか!と
思ってるのである。
さぁ~てと。
これからはどうやって死ぬのかを
一所懸命に考えないといけなくなってきたぞ。
そして、お墓に行き掃除をし、お花と線香を供えて、手を合わす事は、人間にとっては大切な事です。
人間、産まれれば、何時かは死に直面しますよね。
死を怖くないと思う方もいらしゃるでしょうが、やはり怖いものです。
老いて行けば、お迎えを静に受け止めて行くみたいです。
父親なんかも、そんな感じでした。
毎晩、お務めしたり、神社仏閣をお参りしていました。
自分の気持ちを落ち着かせ、死に対する気持ちを和らげる為に、聖書なり仏教が有るのだと思いますし、墓や仏壇で手を合わす事、又、法要が営まれる事だと私は思います。
今はね。代行墓参りも有ります。
お寺等の永代供養で小さい骨壺を預けて、朝晩お務めはして頂けます。綺麗な花やお供え物も。
故人が1人でも、市町村で火葬して荼毘に伏してくれます。
お金が有っても無かっても。
孤独死は、辛いかも解りません。
人生を全うし。
家族に看取られて死ぬ事、法要してくれる事、墓守をしてくれる事は、喜ばしい事なんですが、中々うまく行かないので血筋の者に頼み、迷惑を掛けたくないので、永代供養して頂ける場所に入る方が多いそうですよ。
最後の人はどうなるのかな。
私も、解りません。
家族方が遠方の場合、家の近くに墓を引っ越す事も出来ます。
安く済むのは、新しく墓を買って、今までの墓を処分して、お骨だけ運ぶ方が安上がりみたいです。運搬費が結構借ります。建てる費用、お寺さんにお布施、門徒に入るなど。
Ginjiro さんは、土地も家も有るんですから、お子さんがどうにかするでしょう?。
気に成るのでしたら。
機会があれば、お子さんと話す事も大事かと思います。
お子さんも、それ位はお考えをお持ちですよ。
若造が、偉そう事を書きました。
我が子を捨てたりしない限り。
Ginjiro さん、お子さんに尊敬されない様な人生を歩まれた人じゃ無いでしょう。
皮肉に言ったら駄目だと思いますよ。
ちゃんとお子さんと向かい合って、素直に話してみて下さい。
良い結果は出てきます。
怒らず、焦らず、柔らかく、
ちょっと軽はずみな書き方をしてしまったのかな?と思ってます。
セガレにこういう話をしたことはありません。お互いに暗黙の理解をしてるつもりでした。
簡単に言えば、セガレの面倒にはなりたくないってことと、
何がなんでも「家」を維持しなくても良いのかな?ってことです。
暗黙の理解ってのは甘いかもしれませんね。今度、セガレにハッキリ伝えておこうと思いました。
生き方としては・・・酒を呑み、たばこも吸って、何か立派な病気を貰って・・・気が付いたら「手遅れでした」みたいなやり方が良いのでは?と思ってます。
従って、なるべく健康診断的なチェックは受けないようにしています。
ちょっと、世の中的な平均から外れてるとは思うけど、自分の死に方を自分の手の中に握っていたいと思うから。
ご先祖との対話時間と考えれば無駄でもあるまいと思うようになった。
この言葉、本当にそうだと思いました。
7日に早めのお墓参りを済ませる前に、このような心境に立ち入りたかったです。
>簡単に言えば、セガレの面倒にはなりたくないってことと、
何がなんでも「家」を維持しなくても良いのかな?ってことです。
暗黙の理解ってのは甘いかもしれませんね。今度、セガレにハッキリ伝えておこうと思いました。
ここも、同じ考えです。
暗黙の了解は無理だと、ごく最近痛感しました。
ハッキリ言わないとダメですね。
言わないことで、返って問題を難しくしてしまいました。
年取るってイヤですねぇ。なにかと葬式が近いような話になってしまって。
ま、仕方ないですかね。