ふとしたこと

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師走の街

2012年12月13日 08時26分16秒 | 旅行

 

野暮用があり久しぶりに花のお江戸へ。

手空きのついでに渋谷へ買い物に出掛けた。

江戸の頃は武蔵国 渋谷村だったところ。

今の青山通り(国道246号)沿いの集落に過ぎなかったが

その後明治通りが整備されて大きな道路が交差する町となった。

さらに東急の進出によってターミナル・ステーションとしての顔を

主張し始めて東横線やら地下鉄銀座線、京王井の頭線などの路線が

相次いで開業しデパートも沢山オープンした。

これは戦前のことである。

中には何度も火災を起こした白木屋などというのもあったし

プラネタリウムもあった。

原宿を含む渋谷地区が新宿に取って代わって若者文化の中心となったのは

1970年以降である。

西の道玄坂、東の宮益坂と谷間のような地勢に

ごちゃごちゃと商店街がはびこり

文化村なども出来

最近は渋谷ヒカリエなどという巨大ビルも出来た。

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しかし、どこの町でもそうだと思うのだが

常に進行形のライブな部分や

変わって見せてもそうはいかんぞ!と

頑張るものが残ってるものだ。

へそ曲がりなオイラはどうしてもそっちへ目が向いてしまう。

 明治通り

青い看板で行き先を示しているが

相も変わらずゴタゴタしてる。

行過ぎる人も車もなんだか慌しい師走の風情だ。

この通りに沿って南側を渋谷川という川などと言えない側溝が

ずっと海まで続いているのだ。

川の両岸には表向き綺麗に装った店が立ち並ぶが

こっちは店の裏側の様子を飾り気も無くさらしている。

真夏には堪らない異臭が鼻腔を刺激するだろう。

渋谷川には

並木橋

渋谷橋

恵比寿橋

天現寺橋

古川橋

赤羽橋

芝園橋

金杉橋

新橋

といくつもの地名を表す橋が架かっており

おそらく江戸の頃にはこの川は城を囲む

第二の外堀の役目を果たしていたものであろう。

戦前に第一号の地下鉄として開業した銀座線。

この麓でもなにやら果てしない工事が進行していた。

このトンネルの奥に渋谷駅があり、さらに奥には地下鉄の

大きな車庫がある。

昨今のメトロは随分と地中深く路線が掘られていて

電車に乗るまでのアプローチが深くて不安を覚える。

地下の浅いところに路線がある銀座線の沿線では

時折、舗道脇のスリットから電車が走る音が聞こえることがある。

さすれば地震の時でもすぐに逃げ出せる

安心感があるという冗談さえ言えそうだ。

真黄色の車体にこげ茶色の屋根の古めかしい車両は

とうの昔に姿を消してしまい

どこにでも走ってるアルミボディには寂しさを感じる。

ところが、どっこい!!

頑張ってるこの階段を見た時

思わずあたりのことも考えずに

パチリ☆をしてしまった

銀座線の開通が昭和13年と言うから・・・

その時に作られたはずのこの階段は

もぉ~75年間もこの姿であったわけで・・・

軍靴を履いた兵隊さんやら銘仙を着た女性が延べにして

何十億回も踏みつけてきたものだ。

酔っ払いの枕になったこともあろうし。

そんなことを考えながら街を逍遥するのも

なかなかに楽しいものがある。

オイラの渋谷での買い物は・・・

この先にある釣具屋さんで売っている

毛鉤に使う材料・・・エルクヘアなのでした。

鹿の毛ですな。

代表的な毛鉤・・・エルクヘアカディスを巻く時のマテリアルです。

ある友人が海外でエルクのステーキが美味しかったと言う。

ならば、何故エルクヘアを無料で貰って来なかったのか・・・

無念でなりません。

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PowerShot G12

 

 

 

 

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やはり (ナル)
2012-12-13 12:11:44
やはり、東京の地理にはお詳しいですね。私なんか各週くらいで東京行ってますが、さっぱりです。


一度お勧めしたでしょうか、、、夢枕さんの『大江戸釣客記』

東京の地理がある程度頭にあって、釣りが好きな方には楽しめると思います。
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・・・・? (ginjiro)
2012-12-13 21:46:13
詳しいと仰られても、自分が知ってる場所は少ないんです。子供の頃暮らした京王井の頭線と中央線沿線くらいで、他のところは余り良く判りません。

それはナルさんとほとんど同じなんですよ。

「大江戸釣客記」については本屋さんで立ち読みしました。
ただ、渓流釣りのことが余り出て来ないので、近くにあった
藤沢周平さんの本に化けてしまいました(笑)。

私にとってのお江戸のお話は、どうしても池波正太郎さんの
「剣客商売」や「鬼平犯科帳」に引きずり込まれてしまいます。
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思い出すなぁ (ナル)
2012-12-14 20:54:27
『剣客商売』の撮影ロケーションに行ったことを思い出します。京都の山奥にあります。今でもそのままだと思います。

『犯科帳』では、これは吉衛右門に演じさせることだけを想定しているので、他の誰にも演じさせないという話だったかと思います。

私がいまだに理解できないのは、忠臣蔵を褒めたたえる現在の風潮です。また、白狐隊もしかりです。
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え! (ginjiro)
2012-12-15 07:55:45
ナルさん、もしかして映画関係のお仕事なんですか?

カッコいいなぁ~。オイラは全くそちら方面の知己が居りませんで・・・

なんでも不景気になると忠臣蔵などが流行るそうですけど。
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