路上と旅のガラブログ

『VOW』をきっかけに街歩きに目覚めたガラブロの散歩・旅記録たまに過去にまつわる思い出のブログ。

M meets M「村野藤吾・槇文彦展」

2021-01-03 17:27:00 | 日記

さて、今回は年末に行った展示について書いていこうと思います。

建築家の村野藤吾、槇文彦の2人(敬称略)の足跡を、横浜の赤レンガ倉庫・みなとみらいからもほど近い馬車道駅よりすぐのBankART KAIKO・Temporaryそれぞれの会場で特集した展示です。2020年、村野設計の横浜市庁舎が60年にわたる役目を終え、槇の手がけた新庁舎へと庁舎機能が移ったタイミングで行われたものです。

展示会場は初めて訪れたのですが、KAIKOは旧帝蚕倉庫、Temporaryは旧第一銀行として使われていた建物をリノベーションしたものだそうです。確かに写真のTemporaryは重厚な感じ。

この展示に足を運んだ理由の一つは、私が心の書としている「光と影のかたちーガラスブロック写真集」にまえがきを寄せている槇文彦の建築について知りたいと思ったこと、以前行った日本橋高島屋の展示で、村野藤吾が高島屋の増築を手掛けた際にガラスブロックを用いていたことを知り興味を持ったからでした。

あとは、横浜の街が単純に好きなんです。私はプロ野球の横浜DeNAベイスターズが好きで、横浜スタジアムにもよく行っていました。過去形なのは、昨年コロナ禍でシーズンが短くなってしまい、自分の中で球場に行こうという気持ちがあまり盛り上がらなかったからで、2020年のうちに横浜の街を歩いておきたいなと思っていました。

観戦に行く前に街を歩いて、勝っても負けてもどこかで食事をして帰って。横浜に住んでいるわけではない私にとって、港があり近代建築が多く残っていて異国情緒のある街並が非日常で好きです。

槇文彦は初期の代官山ヒルサイドテラスを皮切りに、大阪千里中央地区センタービル、東京体育館、幕張メッセなどを設計した建築家で、日本だけに留まらずニューヨークのフォーワールドトレードセンターの設計も手がけるなど世界的にも活躍しています。

会場には模型の展示も(撮影可)。

年代ごとの流れを追っていくと、槇がガラスブロックを多用しているのは70年代終わりから80年代にかけての時期で、それ以降は様々な素材を生かし、「光と影」にこだわる様子が伺えました。フォーワールドトレードセンターはビル全体がガラス張りでニューヨークの風景がそのまま映し出される工夫が特徴ですが、「光と影」からその先の可能性を探っているのだと感じました。

ガラスブロックを用いた槇の建築はまだ残っているものが多いのでこれから巡っていこうと思います。

村野展では、旧横浜市庁舎を会場の多くのスペースを割き特集していました。また、他の庁舎建築のコーナーでは、旧都庁舎の設計を丹下健三と争った際の計画案が紹介されていて、そこにガラスブロックが用いられていたことに目をひかれました。これも村野建築だったのか!と驚いたのは、新高輪プリンスホテル。「あさま」というホテルバーがあり、以前たまたま行ったときに奥行きと豪華な意匠に圧倒されたことを思い出しました。

私は建築に関しては疎く、どちらかというと街歩きや路上観察をする中でガラスブロックに魅力を感じているため、建築に詳しい人やデザインのできる人にはどこか引け目や申し訳なさを感じてしまうことがあります。ただ、今年は建築についての知識にも触れて、ガラスブロック観察の幅を広げていけたらいいのかなと思っています。

最後になりましたが、今年もよろしくお願いします(投稿数も訪問数も少ない幣ブログ…砂浜から小瓶を流しながら)。