路上と旅のガラブログ

『VOW』をきっかけに街歩きに目覚めたガラブロの散歩・旅記録たまに過去にまつわる思い出のブログ。

書を捨てよ、オンラインで街へ出よう

2020-09-27 15:41:15 | 日記

今回の記事は、9月26・27日に行われるマニアの祭典、マニアフェスタオンラインでの配信用に書きました。

26日には2回の配信で、ガラスブロックとは何ぞや?とガラスブロックの歴史についてお話しました。27日16時からは「書を捨てよ、オンラインで街へ出よう」と銘打って実際に街ではこんな場所でガラスブロックが見つかるよ、という内容の配信をします。

配信をお聴きになるときは、是非このブログを見ながら、ラジオリスナーの気分でお楽しみください。

ある日曜日の朝、ごはんを買いにコンビニへ。途中にあったマンションに本日初のガラスブロック。

休みの日の朝は、ガラスブロックもいつもよりきれいに見える。

近所の床屋さんにも。朝の散歩を終え家に帰ろう。

今日は夜から予定があるから、支度をして出かける。お昼ご飯は贅沢にうなぎかな。

と思ったけど今日はたくさんお金を使うから近所の定食屋へ。もう2時過ぎ。休みの日はなんでこんなに時間が早く過ぎるのだ!

公園を突っ切って駅へ向かう道をショートカット。

古い銭湯の前を通る。気になったものは、近寄ってみるともっとよくわかる。

郵便局の角を曲がる。

少し曇ってきた。寄り道してたので、止まっていられない!

駅に向かう道を走るとそこに(撮らずに急げ)。

エスカレーターの横にガラスブロックは珍しい。今日はいい日になるでしょう。

なんとか目的地の駅へ。凝ったデザインの駅トイレ。あと、「右側が多機能トイレです」は「右側が滝のおトイレです」に聞こえない?

近道でホテル街を突っ切る。夜になる前のホテル街は、まだ寝ぼけているみたい。

もう日が暮れてきた。交番にも!

気になる居酒屋を見つけたけど、今日は素通り。「酒場放浪記」に出てきそうな雰囲気。

と思ったら、友人が遅刻、こんなに急いだのに!カフェで休憩。

友人と合流。今日の目的はライブなのだ。急いだから、まだオープンすぐで人もまばら。

昼と夜ではガラスブロックの表情も違って見える。

ガラスブロック神社と呼んでもいいですか?

隠れていても見つけだすから。

夜食を買って帰るスーパー。ネオンとスプレーサインで未来都市にいる気持ちになった。今日はこれで、おやすみなさい。


ガラスブロック歴史学

2020-09-26 14:54:49 | 日記

今回は、ガラスブロックの歴史と、現在さまざまな建物に一般的に使われているガラスブロックの始まりについて書いていこうと思います。

とは言っても、私は建築を専門に学んだり職業にしているのではなく、あくまで街を歩くことが好きでそのなかでガラスブロックの魅力を知り追いかけている門外漢なので、過去の文献を参考にして紹介していくつもりです。

ガラスブロックについて多くのページが割かれている本は少なく、せいぜい建築部材の一つとして特徴が述べられていることがほとんどなのですが、この本は私が知りうる中でもっとも初期のガラスブロックが収録されている一冊です。

「建築光幻学 透光不透視の世界」という本で、建築評論家長谷川堯・建築家黒川哲郎の両氏による共著です。40年以上前の本で、お二人とも既に鬼籍に入られているのですが、光をキーワードに建築を解説した名著だと思っています。ちなみに長谷川氏は、シンゴジラにも出演されている長谷川博巳さんのお父様だそうです。

そもそもガラスが建築部材として使われるようになったのは、記念すべき第一回万国博覧会のロンドン万博の会場として建てられた水晶宮という建物がはじまりです。ガラスを大胆に使用したこの建物を皮切りに、その光を採り入れる特徴が生かされていくこととなります。

ガラスブロックの原型がいつどこで作られたかは定かになっていませんが、実際に使われた最初の建物は1898年、フランスの建築家エクトール・ギマールの手によるカステル・ベランジェと呼ばれるアパートです。階段室には四角ではなく何と横長の中心が円のような、まるでUFOか横長になった甘食パンを思わせるガラスブロックが使われています。

そこから5年後、オーギュスト・ペレによってパリのフランクリン街に建てられたアパートにも六角形のガラスブロックが用いられます。ガラスブロックの原型は、現在のような四角ではなかったことがわかりますね。

観光地としても有名なのが、ウィーン郵便貯金局(1906年・オットー・ワーグナー)です。ロビーの床にガラスブロックが敷き詰められている様を一度見に行きたいと思っているのですが、今はなかなか海外に行ける目処が立たないのがもどかしいです。

その後もヨーロッパではガラスブロックを用いた建築が作られていきます。

1914年 ガラス・パビリオン(ブルーノタウト設計、ケルン・ドイツ)

1928~1931年 ガラスの家(ピエールシャロー・B.ビジボー設計、パリ・フランス)

1929年 救世軍会館(ル・コルビュジェ設計、パリ・フランス)

1932年 カサ・デ・ポポロ(ジュゼッペ・テラーニ設計、イタリア)

ここまで20世紀前半のヨーロッパの建築を紹介してきましたが、日本でガラスブロックがいつどのように使われるようになったかは文献がまだ見つかっていないためはっきりとはわかりません。「建築光幻学」には、日本の建築も紹介されていますが、もっとも古いものは、1936年の堀口捨己による「銀座の小住宅」です。伝統的な日本家屋を基調としつつ、天窓と2階床面にガラスブロックが用いられています。

日本のガラスブロックの起源を知るためには、当時生産していたメーカー、施工していた業者を調べるか、古い建物でガラスブロックが用いられているものを探し話を聞くことが必要だと思っていて、その成果は、いずれ発表ができたらと考えています。


ガラスブロック概論

2020-09-26 00:49:28 | 日記

さて、このブログは「ガラスブロックにくびったけ」と銘打っていますので、今回はガラスブロックとは何ぞや?を書いていこうと思います。

ガラスブロックはこちらです。

誰もが一度は目にしたことがあるのではないかと思います。

構造としては、箱形のガラスを2つ作って合わせ、高温で溶着しブロックにしたものです。それを積み上げて壁材として用いられます。

ガラスブロックを建築部材として用いるメリットは2つあります。

①断熱・遮音効果が高い

ガラスブロックの内部は空洞になっており、0.3気圧程度と真空に近いため、断熱・遮音効果のある室内環境を作ることができます。寒暖差のある日本の気候にもぴったりですね。

②採光性がよい。

ガラスブロックはその名の通りガラスなので、室内に光を採り入れることができます。階段の踊り場に用いられていることがよくあるのですが、この場合は採光性を期待してのものでしょうね。ちなみに私も出展したマニアフェスタの会場になっているアーツ千代田3331(旧千代田区立練成中学校)の階段にもガラスブロックがあります。

また、タイプにもよるのですが完全な透明ガラスではないものが多いため、室内を見通すことができないので、光は採り入れつつ視線を遮りプライバシー確保ができます。公衆トイレにあるガラスブロックは、複雑なパターンのものを用いることで中の様子がほぼ見えないようにしている場合が多いですね。それもそのはず、通常のガラスですけすけでは、落ち着いてお花も摘めないですからね。

さて、東洋には陰と陽の考え方があるように、物事にはメリットがあればデメリットもあります。

①崩壊しないよう固定が必要

ガラスブロックはレンガと同じように、壁材に用いる場合は崩壊しないよう固定が必要です。ガラスブロック同士を繋ぐ格子のように見える部分はモルタル(コンクリートの親戚みたいなもの)で、ブロックを積むだけでは完成しません。このあたりは職人さんの仕事なのですが、昨今ガラスブロックの施工数が少なくなっているため職人さんの数も減り高齢化が進んでいると2月のマニアフェスタの来場者さまが教えてくださいました。

②費用がかかる

ガラスブロックを使用した壁の施工は、お金がかかるそうです。贅沢に壁一面をガラスブロック仕上げにした建物は多くが商業施設や企業のもので、一般家屋は玄関横や壁のアクセントとして一つないしは二つ程度の用途がほとんどです(それも魅力的なんですけどね)。

メリットも魅力もあるガラスブロックですが、前述したように最近は施工数も減り、古い建物にあるガラスブロックもいつかはなくなっていきます。今あるガラスブロックを記録し魅力を発信していくことで、ガラスブロックのある風景を残すお手伝いを微力ながらできたらいいと今は思っています。

 


夏を追いかけて(あるいはサマーゾンビ)

2020-09-17 22:05:34 | 日記

ブログ第二回、通常ならガラスブロック観察の活動紹介やガラスブロック自体の説明をするところですが、本ブログはそれ以外のまったく関係のない日常のことも書いていきたいので、今回は過ぎ去ってしまった短い夏の一日についてです。

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先月終わりに、用事があり自転車で20分ほどの距離にある市政センターへ行った。

日差しが強いため自転車を漕いでいると暑く感じるが、真夏のピークを過ぎたような気候で生命の危機を感じるほどではない。それでも、交差点にさしかかり、神社の境内の緑が見えてきた辺りで、今日が今年の一番夏らしい日だなと直感する。

ここ数年は梅雨もすぐに開けてしまい、9月に入っても残暑とは名ばかりの酷暑が続く長い厳しい夏が多かった印象だが、夏の概念をそのまま表したような完璧な日はそう多くない。日々の仕事や生活に追われ、ただむさ苦しいだけの日々が大半で、たまたまそこから解放されたような気分になるときにしか夏の素晴らしさを感じることはできない。梅雨開けから秋の始まりまでの2カ月を夏とすると、せいぜい2日間くらいだろう。今日はその日である。

ガラガラの市政センターで用事を済ませ、近くに鉄塔がよく見える場所があったなと思い出し、久しぶりに行ってみる。

久しぶりすぎて迷ってしまい、なんとなく当たりをつけて自転車を漕いでいると、高層階にガラスブロックがしつらえてあるマンションを見つけ、近くまで寄るため裏の道に回る。

マンションのよく見える道に出ると、建物は見えるかわりにガラスブロックは見えなくなってしまう。

向かいでは壁の工事をしていて、警備員が怪訝そうに私を見る。

それはそうだろう。平日の昼間、ママチャリで建物を眺めるいい大人。彼が警備員だからよかったが、世の中には警察官という人たちがいて、彼または彼女らはときに私を問い詰める。

こんにちは、どこかへ行かれる途中ですか

はい。夏を追いかけていて

夏を

ええ。夏は長いように思えますが今日こそ夏だと感じられる日は何日もなくて、気がついたら過ぎ去って、捕まえたと思ったら別の生き物だったりして。今日は夏のしっぽを捕まえられる予感がして、それで追いかけていました

はあ。

国道沿いから無事鉄塔を見て、以前から気になっていた団地の中にあるカレー屋に行く。団地は広く、カレーは美味しかったが、帰りには中学生の遠足?の行列に巻き込まれ、自転車を降りて炎天下を行進する羽目になった。ご覧のように、鳩は日陰で涼み、おばちゃんはふらふら歩いていた。そんな夏の一日。


ハロー、ブログを始める日曜日

2020-09-13 17:24:24 | 日記

皆さん、こんにちは。知らない方は、初めまして。

 

Instagramでガラスブロックマニアックと名乗り、街のガラスブロックを観察し写真をアップする活動をしているわたくし、このたびブログを始めました。

 

ガラスブロックって何?と思った方は下の写真をご覧ください。

 

見たことある!歯医者さんにあった!スペインの首都はマドリード!など色々な感想があるかもしれません。

 

「ガラスブロックにくびったけ」と本記事のタイトルは、愛する日本のバンド、フリッパーズギターのファーストアルバム「海へ行くつもりじゃなかった」の曲および帯文から取りました。いわゆるサンプリングという奴です。

 

人生でブログを開設するのは3回目で、初めてのブログは10年前に当時のもやもやした気持ちを書いたもの(読者などまるでいなかった)、2回目はラーメン店を巡る記録(これは結構頑張ってブログランキングにも参加していた)で、3度目の今回は、instagramの写真だけでは伝えられないこと、それもtwitterで呟くには少し長いガラスブロックにまつわることや街歩きの喜びと悲しみ、またそれらと関係ないようなことまで書き連ねていけたらいいと思っています。