「西武」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか。
ある人は電車だろうし、野球チームのライオンズを思い浮かべる人もいるだろう。百貨店を想像する人もいるかもしれない。自分にとっての「西武」は一言では言い表せない。懐かしさや落ち着き、反面焦燥を駆り立てられるようなそわそわするような気持ち、それが混ざったものだと思う。
私は関東のとある郊外都市で育った。
都心まで電車で40分、よく言われる「都会でも田舎でもない」街で、緑が多いのと歴史が長いことを誇りにしている街だった。もっとも裏を返せば中途半端に田舎っぽくてしがらみの多い街とも言えたのだが、街に文句を言いつつ結構大人になるまで住んでいた。
街の中心部には東西を横切る京王線の駅があり、市内で一番ユーザー数の多い線だったのだが、南東には西武線が通っていて私はその沿線に住んでいた。西武線の終点からはJRに乗り換えることができて、京王線のユーザーとは明らかに生活導線が違ったと思う。
先ほど文句を行ったが、自分が街歩きをするなかで気になること、懐かしさを覚えるものなどさまざまなところにその街、特に市内の西武沿線の光景や雰囲気が影響を与えていると今では感じる。
こんなことを考えたのも、最近西武線沿いの駅に降りる用事が多かったからである。
西武と言えば、黄色い電車。
ローカルボウリング場。めっきり見なくなった。
越後そば小平店。新潟とは関係ない。つゆはスモーキーで酸味を感じるタイプ。色が濃くて塩辛いのが好きなのだが、これはこれでいい。店の奥にはライオンズのユニフォームが飾ってあってローカル駅そば屋らしくていい。
井荻駅は初めて降りた。「ロジステーション」に見えて物流倉庫みたい。
青赤2色でTHE西武線の椅子。これが自分にとってのノスタルジーだ。そういえば昔のベンチってやたら足がチクチクするところありませんでした?競艇場の椅子みたいなタイプ。あれなんだったんだろう、そしてどこへ行ってしまった?