奥武蔵の風

60 戦争の真実

 5月19日から21日まで、広島市でG7サミットが開催されます。

 民主主義を標榜する国々のトップが集まるのですから、ロシアによるウクライナでの戦争を早く終結させ、危惧(きぐ)される台湾有事に対しても有効な予防策を打ち出して、世界が平和に回帰する道筋を、ぜひ付けて欲しいものです。

 わが日本国の岸田首相は、生まれも育ちも東京です。しかし、父親から継承した「選挙区」が広島県であるため、みずから「広島の出身」と公言しています。そこまで言うのなら、さぞ非核・平和志向が強い方かと思っていましたが、「核兵器禁止条約」には不参加を表明し、「反撃(敵基地攻撃)能力」を備えることに注力しています。

 被爆地「広島」を自分の都合よいように、政治利用しているとしか思えません。

 太平洋戦争を引き起こした日本は、開戦から4年後の3月10日に首都東京に大空襲を受け、9万5千人の死者を出しました。それでも戦争は終わらず、沖縄で米軍を迎え打ち、日本側だけで18万8千人の死者を出しました。そして、8月6日に広島へ、同月9日に長崎への原爆投下を受けて、ようやく日本政府は、しぶしぶ降伏を受諾したのです。

 ひとたび戦争が始まれば、終わりが見えなくなるのは、過去の日本を引き合いに出すまでもなく、ウクライナの現状を見ても明らかです。

 下に掲げた写真は、実家の整理をしていた時に出てきた、父の遺品のアルバムに貼られていた一枚です。いつ、どこで撮影されたものかは不明ですが、漂う悲壮感から、どういう状況なのかは、およそ見当がつきます。どんなに戦況を繕(つくろ)ったところで、戦争の真実は、こんなものなのです。

 

(写真上)© 当時のNHKや新聞は、「大本営発表」と称して、軍部の発表するがままに、戦況が有利に進んでいるかのように、報道していました。しかし、戦時下の実態は、こんなものだったのです。

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