自分の店を持つには様々な物理的事柄が重要なのは言うまでもないけれど、
ソフト面ももちろん大事で、
人の心に届くような「自分らしさ」を出したい。
どんなものをどんなところで
出そうかと妄想だけしていても
頭の中のスケッチブックはなかなか埋まらないので、
美味しい物を食べ歩きつつ、
お店の造り・厨房・店員さん・メニューや商品のラインナップなどなどを観察したり、店員さんとお話しをしたりして、イメージを膨らませいっている。
そんな中で、開業を目指すきっかけにもなった「NIPPONの47人」展で紹介されていた、鎌倉の「POMPON CAKES」という移動販売のケーキ屋さんが店舗販売へと形態が変わっていて行きやすくなっていたので、お店の営業日と自分のお休みが重なった日に足を運んでみることにした。
東京都下から電車とバスを乗り継いでたどり着いた「POMPON CAKES」は全部が"ステキ"だった。
シンプルで素朴な見た目のケーキやスイーツ、ゴツゴツと古びた木造の店内、ガラス張りの向こうの清潔で正直な厨房、化粧室もとても可愛くしている。
はるばるやってきたので
「パクパク食べられるオーガニックジャンキーなケーキ」を2つ頼んだ。
レモンチーズパイと
チョコバナナパイ
どちらも真っ直ぐな優しい味で
本当にパクパク食べられた。
なんならもう一つ食べたいくらいだった。
持ち帰りにしたチョコピーナツバタークッキーなんて、ピーナッツバターの香りも味もバツグンだしザクザクした食感も自分好みで毎日食べたいくらいに好きになってしまった。
「POMPON CAKES」を出て3軒ほど隣には姉妹店の「POMPON PANTRY」もあり、こちらでは焼き菓子、可愛らしい調理の道具、アパレルやセレクト品などが置かれていた。
和かで気さくな店長さんが楽しそうにお店の商品の案内をしてくださりその笑顔にノックアウトされてしまった。
初めての来店だったにもかかわらず2つのお店の大ファンになってしまった。
その後も頻繁に行くことはできないけれど、時間を見つけて2つのお店に伺う度に、幸せな時間を過ごし、「美味しいから」とか「好みのものが置いてあるから」だけではない、全体を包み込む空気だったり、人であったりが愛おしいと思える場所作りの大切さを感じている。
そんな気持ちを忘れないでいられる数少ない場所が見つかった幸運に深謝。