「虎穴に入(い)らずんば虎子を得ず」〔後漢書(班超伝)〕西暦432年頃成立。
危険な冒険なしには、大きな成功は得られない。自分が被るかも知れない不利益ばかり
考えていたのでは、欲しいものを獲得できない。《ずんば》 という言葉遣いが気に障る。
《ずんば》とは、ズハ の強調形で、太平記(1375~1379)にその用例が見られるが、
その後、ズバ という誤用を産出し、強調されて《ズンバ》 となったのであり、現代の日本では
奇異に聞こえる言葉遣いだ。それでも、第二次世界大戦前後までは、積極的に活用されていた
可能性がある。一種の古語であるので、現代の言葉遣いに改められるべきである。
英語では簡単に、Nothing venture, nothing gain.
現在の喫緊の課題を考えさせる昔からの言葉遣いが カワズ と カエル。
「井の中の蛙(かわず)大海を知らず」 荘子(紀元前369~前286?)
The frog in the well knows nothing of the great ocean.
平安時代(794年~1192年)の初期頃から、カワズ と カエル は混同されて使われて来た。
万葉集には「神奈備の山下響(とよ)み行く水に蛙(かわず)鳴くなり秋といはむとや」 とある。
「古池や蛙(かわず)飛び込む水の音」 不易流行 松尾芭蕉(1644~1694)
日本人には遥かな昔から、「ヨミガエル(黄泉(よみ)からかえる」を恐れ、忌避してきた歴史がある。
現代の強いデフレ経済を反映すれば、カワズ(買わず)が、憲法更新の時代的要請を受ければ、
カエル(替える、代える、帰る)が人のこころに生き生きとして来る。日本人だけでも、310万人もの
犠牲者を出させた悪道・敗戦国の道をいつまでも行ったり来たりしていないで、道を替えることで、
道替える・見違える(ミチガエル)本来の日本国に戻り帰る必要がある。