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随分昔の映画である。主演のチャールトン・ヘストンが若い。実はある本で、この映画に出てくる黒い絨毯、こと、人食い蟻は中共軍兵士を表わしているのだ、と読んで、ビデオ店で購入した。要するに猿の惑星が、日本人を模したのと同じ手の映画である。
製作が1954年だから、朝鮮戦争で米軍が闘った直後で、殺せども殺せども湧いてくるように襲ってくる支那兵を、何十キロにも及ぶ人食い蟻の大群に見立てた、ということだろう。犠牲をいとわない人海戦術に対する米国人の恐怖を表わしている、のであろう。
ただし映画は、手紙のやり取りだけで決めた見合い結婚、というアメリカ映画らしくない話がスタートである。日本人移民の写真結婚を嫌ったアメリカ人らしくないのである。この美男美女が、最初は反発するのだが、時間をかけて次第に愛するようになって、共に襲ってくる毒蟻と闘う、といった話である。
二人の心の駆け引きが長く、蟻との戦いは付け足し、としか思われない。猿の惑星は、いかにも戦時中の日本人を皮肉った、というのが前面に出ているのとは、やはり違う。しかし、いずれも主演がチャールトンヘストン、というのは偶然ではあるまい。それにしても、古い映画でDVDで再販されているのだから、二人の主人公の描き方が良かった、ということなのだろう。画面も綺麗だから、支那兵云々、ということを忘れて見た方が良い。