2nd Stageトラバース

50代で転職し、第二の人生スタート。
もがいて、笑って頑張るおやじをお届けします。

知らんぷり奥女中とうざいおやじ

2021-05-12 05:01:06 | 日記
五月の節句を過ぎたら、緑地帯の冬の花を夏の花へ植え替えます。


「あー、またこの季節が来た。また、毎日花に水をあげるのか」



冬の花は10月から4月まで、殆ど水をやらなかった。それでもずっと綺麗な花を咲かせていた。



夏の花はそうはいかない。
毎日水やりしないと直ぐ枯れてしまいます。


朝5:50 自宅出発。

「簡単に言うなよ。通りすがりの、冷たい目線を浴びながらの水やりは辛いんだよ」



花に水をやっていて、行き交う人に挨拶しても、
半分の人は完全に無視する。
残りの2/3は目を合わさず挨拶するだけ。


目を合わさない「ありがとう」や「おはようございます」なんて、その場の逃げ口上でしかないのがよく分かる。






ホースで水を撒いていたら向こうから女性がウォーキングスタイルで歩いて来た。




「おはようございます」
目を見て挨拶したが完全無視。



能面みたいな無表情で、遠くの一点を見つめて水撒きおやじの横を歩き去った。





「江戸城奥女中か。そんなにエライのか。ホース持って水垂らしてるからおいらを三助おやじぐらいにしか思ってねぇだろ」
「ふざけんなよ。目や態度は口ほどにものを言うてんだ。絶対、見下しているよな。いつか、笑って挨拶させてやるからな」




あの、もう後ろ姿の奥女中は
明日も絶対、ウォーキングしに来るだろう。




ウォーキング奥女中、絶対笑って「おはようございます」って言わせてやる。



わけもない闘争心がふつふつと沸き上がり、花に水をこれでもかと浴びせていた。

さよなら鯉太郎。使い捨て鯉のぼりの悲哀

2021-05-05 16:59:15 | 日記
5月5日は夕方から雨の予報。マンション鯉のぼりも今日まで掲げる予定にしていたが、お昼に下げることにした。

「10日間、24時間風雨、太陽光に晒されたのだ。もういいよ。可哀想だ」



見に行けば、殆ど毎回、親子がマンション鯉のぼりを見上げていた。


今日は一番いい泳ぎだね。




鯉のぼり「鯉太郎」を下ろしに行ったら冬の花から夏の花へ植栽植え替えの親子イベントをやっていた。




時が過ぎればお役御免。
マンションの鯉のぼりという宿命か、聞けば、5月5日が過ぎれば捨てるという。




マンション居住者だけでなく、近隣親子にまで思い出のシャッターチャンスを提供していた鯉太郎&コイ美ちゃん。



「役目が終わればポイ捨てか・・・」




鯉のぼりを下ろし、ボロボロの鯉のぼりを労っていたら、一人のこどもが


「あっ!鯉のぼりが無い」と叫んだ。




地面にある鯉のぼりを見つめている。




「ご免よ。鯉のぼりは今日までなんだよ。写真は撮ったの?」



お父さんが
「何枚も撮りました。すごくよかった」と返してくれた。



「また、来年だね」



父親に手を引かれ、その子はいつまでも手を振っていた。





「捨てられないな・・・」





GW前から、ステイホームと陰鬱な雰囲気をばらまかれ、しかし親子に笑顔を与え続けた「鯉太郎」。


尾っぽは枝やロープに引っ掛かり、見るも無残な状態だ。


「尾っぽは少し切って、防虫剤をいれておこう。来年まで管理室に預ければいいさ」



「こういうのが捨てられねぇから昭和臭ぇって言われんだけどな」

葉っぱまでは食べられない! 柏餅と桜餅は別ものだ。

2021-05-04 15:03:35 | 日記
ミニ鯉のぼりをバックパックに刺して歩いていたら、「柏餅も必要だな」と通りすがりの人に声をかけられた。



鯉のぼりにばかり気を取られ、柏餅をすっかり忘れていたので、スーパーに赴くと、柏餅が凄い人気で売れていた。






「学校の先生は「葉っぱまで食べなさい」と言われたから食べたよ」と娘が言う。




桜餅は葉っぱごと食べて美味しかったので、柏餅も葉っぱまで食べるものと思っていた。





鯉のぼりに柏餅、いいコラボと悦に入って写真を撮り、早速口に運んだ。




「ウゲーっ」



柏餅の葉っぱなんか食べられたものではない。


折角の団子が台無しだ。
飲み下した葉っぱの違和感がずっと残る。




学校も適当なこと言うよな。



「桜餅の桜の葉は手を加えてあるから食べられるんだよ。柏餅の葉っぱなんか田舎では食べないよ。笑われるよ」



地方出身の女房さん、得意満面で都会人をせせら笑った。


「だったら、パックに「葉っぱは食べません」とか書くだろ。食べちゃう人もいるんだよ」



「だったら除菌作用もあるからさぁ、食べちゃえば。コロナ対策にはいいかもよ」





「くだらねぇ」





柏の木の葉っぱを消化出来ないのか、変な違和感。
ホントに下らなかったら大変なので太田胃散を胃袋に流し込んだ。

限界突破 風速10m! 竜門に挑む鯉太郎&コイ美ちゃん

2021-05-03 08:15:39 | 日記
「本日の関東地方は穏やかな晴天に恵まれますが風が強いのでご注意ください。お昼のニュースと気象情報でした」



無機質なアナウンサーの声がいっそう不安を煽る。



「風速9mって、素人が作った鯉のぼりにあまりに情け容赦無い。もう4回もヘルメット被って梯子登っているのに。」



GWに入ってから連日の豪雨と強風。
鯉太郎には試練の連続。



行き交う親子も見慣れたか、足を止めて見上げる姿も少なくなった。

それでも鯉太郎はロープから離されまいと必死に泳いでいます。





こどもに対する使命感とか、マンション内での承認欲求とか、そんな綺麗事はウソだ。





梯子に登ったり、ロープを張ったり、鯉のぼりの紐を調整したり、それ自体が楽しい。




「他人から見て微塵も面白く無い事に夢中になれる事が幸せだ」





そんなものなのだろう。




人の目を気にするから自分にウソをつく。






マンション管理人さんから、鯉太郎が木に引っ掛かかってしまっているとの連絡。



「今、行きます」



素直に楽しめ。




再びの雨と強風の中、鯉太郎は自力で木の枝から脱出していた。



「凄いよ、お前は。最強鯉のぼり!
竜門をくぐり抜け、竜になれ」







老夫婦と孫の女の子が雨に泳ぐ鯉太郎&コイ美ちゃんに手を振っていた。



彼方では雨宿りの親子が鯉太郎の写真を撮っている。




「鯉太郎、幸せ者だなぁお前は」

スパルタン! 荒天に挑む鯉太郎 不合理の業

2021-05-02 08:16:11 | 日記
昨晩、瀕死の泳ぎを見せていた鯉太郎を早朝に様子を見に行くと、鯉口の紐と、折り返しの紐の“よれ”がひどかった。


マンションのビル風は方向が一定でなく、強さも増すので、もっとシンプルに紐を張らないといけない。


一晩考えて、鯉のぼりを別方向から巻き上げるようにした。



早朝から営業しているホームセンターで、1個34円のネジフックを購入し、鯉のぼりを調整。




凄い勢いで泳ぎ始めた。



「今夜の天気は大荒れらしい。これに耐えられたら最強の鯉のぼりだ」



一先ず、鯉太郎のトラブルは落ち着いたので、往復30㎞のウォーキング出発。



途中、工場横の用水で手長エビ釣りオヤジーず発見!


「こんなところで釣れるんですか」


「バケツ見てみろ」




わぉ! 10匹以上釣っている。


「これ、食べられますよねぇ」

「高級魚、高級魚!」

工場横の用水。
食べちゃうのかよ・・・。


このオヤジーずにコロナは無縁だろう。




更に行くと、今度は江戸川の河口に貝
掘り軍団が大挙押し寄せている。


それ程獲れるわけでもなかろうに。




一方は鯉のぼりにうつつをぬかし、他方は自分たちより少ない数の貝を目のいろ変えて探してる。



人間とは何処まで行っても“アホ”だと痛感した。この不合理を、他の動物が見たら何と思うのだろう。




千葉某所から浦安まで来た。

「隣は東京だぜ、帰ろ」



荒天を予感させる雷が鳴り出し、雨が地面を叩く。



「いよいよ鯉太郎の試練の時だ。鯉のぼりノウハウの集大成。来る荒天を乗り越えられるか!」









鯉のぼりも貝掘りも・・・


どうでもいいっちゃ、どうでもいい事
なんだけどな。