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前編/映画「殿、利息でござる!」vs映画「蠢動」 「超高速 参勤交代」 「武士の献立」

2016-06-04 10:40:22 | 映画



5月、江戸物の映画『殿、利息でござる!』が公開された。
江戸時代は250年間、
徳川幕府の支配の元、戦争もなく過ごした平和な時代。
だが
沈黙の平和が続くには、仕掛けがあった。

それは諸大名たちの江戸への参勤交代と幕府への上納金。。
全国の大名は長期に渡り、この金策に苦しめられた。
年貢米を取り立てても、木をボコボコ切りまくっても、、
藩の財政は厳しく裏帳簿を作って凌ごうとする藩もあった。

だが幕府は内偵を派遣したり、隠密を使って調べ上げる。
ちょろまかしが発覚すれば、藩主は切腹、藩はお取り潰し。
仕えていた武士たちは、浪人となり江戸を彷徨うことに・・

だが江戸中期、4代家綱~8代吉宗の時代。
突飛もない発想で、町を救った実話があった。
仙台藩吉岡宿の奇想天外な発想に基づいた映画『殿、利息でござる!』


◆映画『殿、利息でござる!』 外様大名の苦悩…◆

仙台藩吉岡宿の村民が、町への労役の負担を軽くするため、
仙台藩に千両を貸し付ける案を思いついた。
千両とは、今の三億円。。。。

<貸し付けの利息で労役へかかるお金に充てる>
そうしない限り、吉岡宿は廃れ潰れてしまうからだ。。
一か八かで始めたが、
商家や金貸しの質屋の無償の努力が実り。
8年後千両を貯め、仙台藩に貸し付けることに成功。

吉岡宿は町を失わず、存続することに成功したお話し。
豪華キャストなうえに、仙台藩主がスケーター羽生結弦選手で話題に。

江戸中期はそう悪い時代ではなかったはずだが、
仙台藩伊達家は外様大名…

参勤交代の高額な費用と上納金は
民を悲惨な状況へと追い込んでいく。
あの仙台藩ですら金策に奔走し火の車だった。

三代家光がつくった参勤交代は、
じわじわと全国の民を窮地に追い込んでいった。


◆映画『蠢動(しゅんどう)』


貧乏弱小藩があまりの上納金の大変さに裏帳簿を作った、、
幕府より遣わされた剣の指南役により、裏帳簿の存在が露呈。
未来のある若き武士を指南役の殺人犯として、濡れ衣を負わせる。
一人の若き武士を葬ることで、藩の取り潰しをなんとか免れた。

藩は武士道の誇りも理念も捻じ曲げ、
すべてを切り捨てなければ生き残る方法はない。
徳川幕府の締め付けと
切り詰めても切り詰めても幕府に吸い上げされる金の構造。

そして
この映画の殺陣が
バタバタ、のしのし、、あまりにリアル…

純粋に武士道に生きようとした青年を次々と刺客が襲う。
その刺客は同じ藩の若者たち。
最後は武士道の剣ではなく、生き抜くための剣で逃げ延びる青年。
藩の理不尽な仕打ちと武士への絶望。。。。

幕府の闇の力がどんなに怖かったかが分かるのが『蠢動』だと思う。


◆超高速 参勤交代◆

8代吉宗の時代のお話し、コメディー仕立て映画『超高速 参勤交代』
長閑な田舎の弱小藩が、隠し金山を持ってる、、と疑われた。
藩の取り潰しと藩主殺害を目論む江戸老中に、参勤交代を命ぜられる。

貧乏藩ゆえ、大名行列が出来ないほどの貧弱さ、、
小判も持たず、古銭で大名行列というありさま・・・
まるで落語のような苦肉の策で、ボロボロになりながらも果たす。
金山の濡れ衣も晴れ、藩は存続。

理不尽な濡れ衣を着せられ、藩のお取り潰しは多かった。
藩を失い、
職を求めた武士が江戸に単身赴任をする。
が、
士官に登用されることもなく、江戸で浪人生活。
読み書きの出来る浪人が講釈師になり、
街角で軍記本を庶民に読み聞かせ講談が大流行。
江戸の庶民は講釈師を尊敬の意味を込め「先生」と呼んでいた。

地方では食べていけないのに、
江戸ではパフォーマンスが良ければその日暮らしが出来た。
沢山の浪人が江戸に集中し、江戸だけは世界一の都市になった。



◆異色の映画『武士の献立』◆

隠密や物騒な刺客が暗躍した江戸時代。
実は、外様大名なのに優雅な藩があった。
石川県の加賀藩前田家。

遡れば
前田利家は豊臣秀吉の無二の親友でもあった。
徳川家にとっては前田家の外様の扱いは当然。
だが加賀藩だけは、意外と絢爛。

江戸時代は剣を使うこともなく、なんとなく平和。
大名家の健康を司る者として<包丁侍>がいた。
場内の大台所で朝から晩まで包丁を使い料理を作る。
包丁侍は代々世襲制でもあり、
ちょんまげを結い、裃姿にタスキ掛けの武士。
加賀藩の包丁侍は後に優れた料理本を出すほどの腕だったと云われる。

江戸への参勤交代の際には加賀の雪をムロに包み、将軍に献上。
加賀より大きな荷車で運び、江戸城に着く頃には僅かな雪に。
将軍家に大層喜ばれる献上品だったと文献にはある。
夏に氷献上とは、、
大名の苦労はいかほどだったか分かる話し。


その様が浮世絵師・歌川国芳の絵に描かれている。

↓後ろに江戸城
奥女中が加賀の雪にスモモをつけて運んでいる様。
なぜか青く描いてるのがスモモ。



今回は江戸時代に纏わる映画のお話し。
地方の大名の苦しい事情と正反対だったのが江戸。
江戸の庶民の生活や考え方は進歩的で平等。

24時間営業の外食産業や現代の便利産業は江戸が先駆者だった。
次回の後編は驚くほど面白い江戸のお話しデス♪



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白く読ませて頂きました(^_^) (ルーファウス)
2016-06-04 16:23:27
次回も楽しみです☆彡
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Unknown (ホワイト)
2016-06-10 00:01:31
お話に引き込まれました。



藩に操られる若藩士、目に浮かびました。
返信する
時代物 (ろこ)
2016-06-13 23:34:49
初めまして。
 サルサと時代物とのギャップに思わず惹きこまれました。
 加賀藩の包丁侍の話は面白いですね。
 実際に在ったこととして浮世絵師・歌川国芳の絵をあげているところが素晴らしく、目で見る江戸の様子が理解できました。
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