◇ 江戸っ子は愉しむことの天才 ◇
江戸は火事の町。
一旦火が出ると、コオロギ色の長屋はひとたまりも無い。
大火は三年に一度。
火事は半年に一度、どこかの町並みが灰になった。
火の手が上がれば、身体や顔のあちこちに火ぶくれを作りながら、
身一つで命からがら逃げ出す。
運良く火から逃れても流行病に罹れば、コロリと命を落としてしまう。
そんな
命の儚さを知る江戸っ子は、日々愉しむことにかけては天才!!
お金をかけずに遊ぶのには長けていたが、なぜか花の咲くものには弱かった。
宵越しのお金を持たないと言われた江戸っ子が、
日銭を貯めて買ったのが花の咲く鉢物。
品種の珍しい花は、高くても飛ぶように売れた。
◇江戸の町は、緑と花だらけ◇
江戸中期になると、武士も町民もこぞって花を愛でた。
特に長屋暮らしの江戸っ子たちは、
鍵もない家の軒先に、綺麗な陶器の鉢に植わった花を飾る。
鉢植えの鉢は手作り、一つ一つ凝っていて花より高かったものも多い。
今の時代なら、数時間で忽然と消えるようなものが無防備に置かれてる、、
江戸を訪れた外国人が一番驚いたのが、まさにこの長屋の風景。
裕福でもないのに、色とりどりの花を育て愛で、
ニコニコと人懐っこく、開けっ広げ。
芝居や相撲・旅など形で残らないものにお金を使った江戸っ子。
花に限っては、別腹?だったようだ。
長屋住まいだと、自炊はしない。
かかあが居れば、せいぜいお米を炊くのが上等な方。
大抵の家は竈がないため、外食か惣菜屋の振り売りから買う。
長屋の匂いは煮炊きの生活臭ではない、ほのかに香る花の匂い。。
今の時代にはない、人としての良い匂いを感じてしまう。
朝早く起き、一日分を稼ぎ、
夕方湯屋に行き、ご隠居さんや武士とうだうだ話し込む。
夜は旨くて安い酒を吞み、床に就く。
空いてる時間は、遊ぶために使う。
生きてる時間に難しい時間などない。。。。それが江戸っ子。
そして
江戸の園芸ブームは凄まじかった。
菊・椿・つつじ・楓・からたちに始まり、幕末に朝顔と万年青(おもと)。
朝顔は変わり種が愛でられ、盛んに品種改良をし年一回の品評会を開催。
全国から出品され、一気に技術が高まった。
本草学が盛んになり、腕のいい植木職人が育ち花師を名乗る。
出島のシーボルトが、日本の樹木や草花を長崎出島に集めた時、
花師の育成技術の高さに驚いたという。
江戸の風情を知ると、ないものねだりで憧れる。
今の方が、便利で長生きなのに、、、病んでる人が多いのはなぜだろう。
江戸はとても活き活きとした不思議な町で、理想郷だったのかもしれない。
奥に富士が見えます。
いっち好きな風景。
**コメントありがとう🎵**
小豆ママさんへ
ドラマよりもスゴイ史実。。
江戸時代は本当に面白く興味深いですね。
ありがとう!(^^)!
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花を愛でる心は 今も昔も
同じですね
煮炊きの匂いではなく
花の匂いが漂っていたなんて
ステキですね
(我が家は隣の晩御飯の臭いが漂うときが
あります 笑)