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花を愛でる江戸っ子の美学

2017-10-30 16:19:05 | 

◇ 江戸っ子は愉しむことの天才 ◇

江戸は火事の町。
一旦火が出ると、コオロギ色の長屋はひとたまりも無い。
大火は三年に一度。
火事は半年に一度、どこかの町並みが灰になった。
火の手が上がれば、身体や顔のあちこちに火ぶくれを作りながら、
身一つで命からがら逃げ出す。

運良く火から逃れても流行病に罹れば、コロリと命を落としてしまう。
そんな
命の儚さを知る江戸っ子は、日々愉しむことにかけては天才!!
お金をかけずに遊ぶのには長けていたが、なぜか花の咲くものには弱かった。

宵越しのお金を持たないと言われた江戸っ子が、
日銭を貯めて買ったのが花の咲く鉢物。

品種の珍しい花は、高くても飛ぶように売れた。


◇江戸の町は、緑と花だらけ◇

江戸中期になると、武士も町民もこぞって花を愛でた。
特に長屋暮らしの江戸っ子たちは、
鍵もない家の軒先に、綺麗な陶器の鉢に植わった花を飾る。
鉢植えの鉢は手作り、一つ一つ凝っていて花より高かったものも多い。

今の時代なら、数時間で忽然と消えるようなものが無防備に置かれてる、、

江戸を訪れた外国人が一番驚いたのが、まさにこの長屋の風景。
裕福でもないのに、色とりどりの花を育て愛で、
ニコニコと人懐っこく、開けっ広げ。

芝居や相撲・旅など形で残らないものにお金を使った江戸っ子。
花に限っては、別腹?だったようだ。

長屋住まいだと、自炊はしない。
かかあが居れば、せいぜいお米を炊くのが上等な方。
大抵の家は竈がないため、外食か惣菜屋の振り売りから買う。
長屋の匂いは煮炊きの生活臭ではない、ほのかに香る花の匂い。。
今の時代にはない、人としての良い匂いを感じてしまう。

朝早く起き、一日分を稼ぎ、
夕方湯屋に行き、ご隠居さんや武士とうだうだ話し込む。
夜は旨くて安い酒を吞み、床に就く。
空いてる時間は、遊ぶために使う。
生きてる時間に難しい時間などない。。。。それが江戸っ子。

そして
江戸の園芸ブームは凄まじかった。
菊・椿・つつじ・楓・からたちに始まり、幕末に朝顔と万年青(おもと)。
朝顔は変わり種が愛でられ、盛んに品種改良をし年一回の品評会を開催。
全国から出品され、一気に技術が高まった。

本草学が盛んになり、腕のいい植木職人が育ち花師を名乗る。
出島のシーボルトが、日本の樹木や草花を長崎出島に集めた時、
花師の育成技術の高さに驚いたという。



江戸の風情を知ると、ないものねだりで憧れる。
今の方が、便利で長生きなのに、、、病んでる人が多いのはなぜだろう。
江戸はとても活き活きとした不思議な町で、理想郷だったのかもしれない。

奥に富士が見えます。
いっち好きな風景。


**コメントありがとう🎵**

小豆ママさんへ

 ドラマよりもスゴイ史実。。
 江戸時代は本当に面白く興味深いですね。
 ありがとう!(^^)!


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1 コメント

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Unknown (小豆ママ)
2017-11-02 06:19:13
おはようございます
花を愛でる心は 今も昔も
同じですね
煮炊きの匂いではなく
花の匂いが漂っていたなんて
ステキですね
(我が家は隣の晩御飯の臭いが漂うときが
あります 笑)
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