玉陽庵 算命学ブログ

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天南星

2015年06月20日 | 算命学 あれこれ
天将星のお話が続いたので、この辺りで同じ身強の「天南星」のお話を(^^)

「天南星」は、人の人生で言えば「青年期」の星。
まだまだ青臭さの残る時期ですから、「反骨精神」や「批判力」に満ちています。
なので、他に鳳閣星などをお持ちなら、ジャーナリストなどには最適の星と言えるでしょう(^^)

また、若く生命力に溢れた時期ですから、基本的には肉体が強く、逞しいとされます。
ただし、幼年期などに出た場合は「陰転」することが多く、例えばエネルギーが標準よりも多い場合など、不完全燃焼を起こしてかえって身体を壊してしまう場合もあります。

また、逆にエネルギーが低い場合などは「陰転」も良いとされます。
何故なら、「天南星」は陰転すると学問に才能が出る場合があるから。

「天将星」などには劣るとはいえ、「天南星」はエネルギーの放出口としては大きく、標準以上のエネルギーを持っていないと消耗を招きがち。
なので、肉体労働よりも、頭脳労働の方が消耗を抑えられて良いのです。

さて、この「天南星」の一番の特徴は「気の先行、体の後行」と言われます。
分かりやすく言うと、夢ばかりが先走って、現実が追い付かない。あるいは一つの事をきちんと終わらせる前に、次の事に手を出してしまう。

「天南星」は土性より生まれてくる為、“雑気”が強く、どのような仕事も出来てしまう可能性を持つと言います。
これだけ聞くと大変素晴らしいように思いますが、何でも出来てしまう人は、目的を一つに絞りにくくもなります。
この為、色々と手を出したくなり、一つの会社が傾いても、きちんと整理をすること無く次の会社を興してしまったり、前の恋人ときちんと別れる前に次の恋人を作ってしまったり。
このような状態が災いを呼ぶというのは、占い師でなくても分かります。


それでは、このような状態を避けて成功するにはどうすれば良いのか?
一番良いのは、20代、30代の間に、一度「挫折」すること。

「天南星」をお持ちで、成功者となった方は、必ず若い時期に夢破れ、挫折を経験しているのです。

例として挙げられるのが、ユニクロ(ファーストリテイリング)会長兼社長である柳井正氏や、ジャーナリストの田原総一朗氏。
柳井正さんは、最初に就職した会社を9か月で辞め、友人の家に転がり込んで「一生仕事なんてしたくないな」と考えながら過ごした時期があると言います。さらに、お父様に呼び戻されてお父様の会社に就職するものの、7人いた部下が次々と辞めて最終的に1人しか残らなかった・・・といった事もあったようです。

田原総一朗さんは、最初は作家を目指していたものの、夢破れ、大学に入りなおしてジャーナリストの道に。
しかし、その道程も平坦なものではなく、大学卒業後に受けたマスコミには悉く落ちて、映画製作所でカメラマン助手として人生のキャリアをスタートさせていますね。


このように、挫折を経験し、夢(気)が破れる事で初めて「気の先行、体の後行」の「気の先行」が止まるのです。
そして、これまで不一致を起こしていた「気と体」が初めて一致すると言います。

また、「青年期」の星だけに、どうしても若さが出てしまいがちですので、人生前半でこのように大きな壁にぶち当たるかどうか、すなわち、精神がきちんと練磨されているかどうかで、後半の人生が決まります。

精神が練磨されれば、先走ってばかりだった「気」も落ち着き、目的もきちんと定まってきます。

柳井正さんが、「できるだけ早く失敗する方が良い」「小さな失敗を積み重ねることで成功が見えてくる」と仰った言葉は、まさに「天南星」の成功者としてこれ以上ない言葉だと思います。


「天南星」をお持ちで、挫折を味わっている方。
ぜひ落ち込まず、そこから立ち上がってください。

職を持たない女性で、「結婚」での挫折を経験した方も、もちろんこの条件に当てはまります。
「結婚」という夢が破れたことで、「気と体」が初めて一致し、バランスが取れるようになるのです。

この挫折から、「運の伸び」は始まります。
次に踏み出す一歩は、「成功への第一歩」なのです(^^)




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天将星を持つ人の結婚

2015年06月17日 | 算命学 あれこれ
このブログでも何度かお話した通り、「天将星」というのは大きな特徴を持った星。
「気と体が完全に一致」する星はこれ以外には無く、その“気”の重さは他の星を圧倒します。

基本的には非常に自我が強い面がありますから、何でも自分のペースで自分の思うように進めがち。
幼い頃からそれが身についており、また本人が強いので、自分よりも弱い相手は自分に逆らえません。
なので、気を付けないと、周囲の自分に対する不満を見落としがちな面も。

結局、周囲を見渡すと、同じように強い天将星を持った人間か、逆に人に従う事に疑問や不満を持たない「身弱」の人間しかいない、という事になりがちです。

もちろん、陽転して人の上に立つ人間になるろうとする場合はこのような状態は望ましくありません。
世の中の多くの人は「身中」ですし、人望を得て何かを成そうとするなら、あらゆる人に頼られる高い人間性が必要となるからです。

ただし、これは社会生活でのお話。

「結婚」となると、一般的な適齢期は、まだまだ自己練磨の十分でない若い段階です。
しかも、配偶者とは本音でぶつかり合うべき相手ですから、非常に未熟で粗削りな強さをぶつけられても、へこたれない相手というのが重要。

つまり、天将星を持つ人は、誰とでも結婚できる訳ではないのです。

算命学では、天将星を持つ人は「身強」あるいは「身弱」の人間としか結婚しないと言われます。
「身中」の人間と組むことはまず無いですし、自然の法則からも外れているので、万が一結婚したとしても長続きしません。

特に、天将星を持つ女性の場合、相手の男性には最低でも1つの天将星があり、全体の力量も男性の方が上である方が良いとされます。
できれば、男性側が天将星を二つ持つくらいが理想。

(もちろん、日干土性(戊、己)の「天庫星」を持つ人や、鳳蘭局の人、「天禄星」を二個持つ人など、いわゆる「隠れた天将星」もこの「天将星」として数えます)

お互いに引かない強さがあるので夫婦喧嘩になった場合はかなり激しい喧嘩になりますが、強い者同士にはそれが丁度良いのです。
いつも喧嘩が余りにも激しくなるため、口を利かなくなる場合もあると言いますが、お子さんがいらっしゃるご家庭でこれをやってはいけません。
もちろん、お子さんがいないとしても、きちんとコミュニケーションは取るべきです。

夫婦と言うのは、自己を練磨するための一番の修行相手。
感情的に自我をぶつけ合うだけでなく、冷静になって引くことや、譲ることも覚えましょう。
自己主張も良いですが、相手の立場になって、相手の感情を思いやる気持ちも大切です。

人のペース、人の歩調に合わせられる器がなければ、本来天将星が備えているはずの「人を教え育てる才能」は開花しません。

自分の姿を鏡に映して冷静に見つめるのと同じで、自分と同じくらい強い配偶者とぶつかり合う事は、とても良い学びになります。
この意味でも、天将星を持つ女性は同じ「天将星」を持つ男性と、天将星を持つ男性の場合は、「身強」の女性と(男性の方が少し力量が上の方がバランスが良いです)結婚するのが良いと言えるでしょう。

これからご結婚を考えている天将星をお持ちの方は、参考になさってくださいね(^^)




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隠れた天将星 - 補記

2015年06月16日 | 算命学 あれこれ
最近、「天将星」に関する記事を読んで下さる方が多いようです。
いつもありがとうございます(*^人^*)

前回の「隠れた天将星」で書いた例の他にも「隠れ天将星」がもう一つありましたので、そちらの補足を(^^)

「隠れた天将星」

「身強」と呼ばれる十二大従星は「天将星」「天禄星」「天南星」の三つ。
この中でも、やはり「天将星」は別格です。

「天禄星」は次点ですが、「常に中庸を保つ」という特徴があり、非常に堅実で実直な星。
「天将星」が「平凡を望んではいけない」と言われる波乱含みの星であるのに対し、「天禄星」は「動乱期には活躍が薄く、大きな人生の転換には向かない」と言われるほど「安定志向」の星。

二つとも非常に強い星ではありますが、その方向性は真逆と言っても良いかもしれません。

ただし、この「天禄星」を二つ持っている方は、話が別。

“「天禄星」の重複は「天将星」とみなす”、すなわち、陽占に「天禄星」を二つ持っている場合は、「一つ天将星を持つ」と考えるのです。

以前もお話しましたが、算命学に「引き算」はありません。
このような方は、「天禄星」を持ちながらも、「天将星」も持っているとみなすのです。

この「天禄星」の重複という「隠れた天将星」をお持ちの方は、元来身強の方。
「変化帝王」とは異なり、元々強い部分がさらに強化されるため、相当な強さとして出ると考えて良いでしょう。

このような方は、ぜひとも自己練磨を忘れないようにしてください。
「若い内の苦労は買ってでもしろ」という先人の言葉通り、青年期、中年期にきちんと苦労をしておけば、その能力が必要とされるとき、必ずその苦労が生きてきます。

集団のトップに立った時、信念を貫く強さとしての頑固さは必要です。
ただ、どうでも良い時に自己主張ばかりして周りを振り回す我の強さは、単なる我がまま。
そのままでは人がついてこないため、本来大将星であるのに、決してトップには立てないのです。

陽転した天将星は情があり、人育ての上手な星となりますが、そこに至るまでには相当の人間性の向上が不可欠と覚えておいて下さい。
天将星としての真の役目を果たすには、この自己練磨、人間性の向上は欠かせないのです。

明日は、天将星を持つ人に釣り合う結婚相手についてお話したいと思います(^^)



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カエルの子はカエル?

2015年06月15日 | 算命学 あれこれ
様々なバラエティ番組でお見かけしない日は無い、タレントでミュージシャンのDAIGOさん。
今年の24時間テレビでチャリティーマラソンを走る事になって、さらに注目されていますね(^^)

彼の祖父が首相の竹下登さんであることは有名な話。
お父様も元毎日新聞政治部の記者で、衆院選にも出馬した経験をお持ちだそうですね。
その時は当選しなかったものの、その後竹下登さんの私設秘書を務められていますから、政治の世界に長く関わりを持たれていた方。

このようなご家族の中で育ったDAIGOさんですが、ご本人は音楽の道まっしぐら。
数々の2世、3世の政治家が首相や大臣になったり、注目を浴びたりする中、DAIGOさんが登場した時には、「竹下総理のお孫さんがロックミュージシャン?!」という驚きがありました。
しかも、あの何とも人の好さそうな雰囲気に、今時なゆる~い喋り方。
「元首相の孫」という堅そうなイメージとのギャップが大変なインパクトを与えて一躍人気者になったのは、無理からぬ事でしょう。

ただ、単なるギャップや「おじいちゃんネタ」のおかげだけで、表舞台への登場から何年も経た今でもテレビタレントとして活躍し続ける事は出来なかったはず。

DAIGOさんの星を見てみましょう。


  庚 丙 戊
辰 子 辰 午 子
巳 癸 乙 己 丑


    龍高星 天恍星

調舒星 司禄星 玉堂星

天極星 車騎星 天印星


まず、タレントさんにはぜひとも欲しい「天恍星」がありますね。
DAIGOさんの星にはいくつか孤独感を暗示するものが見られ、それを隠すように人前では明るく振る舞うようになります。
フェロモン星でもあるので、女性ファンが多いのは自然なこと。

また、赤ちゃん星である「天印星」は人から可愛がられやすく、「玉堂星」が東方に出ていると社会に対して大変ピュア。ご本人の本質でもある「天極星」も純粋でお人好しな星ですから、どこか騙されやすそうなイメージになり、女性は余計に母性本能を掻き立てられるでしょう。

少々突飛な事をしてもアクやクセがなく、何とも憎めないのは、この純粋でお人好しな人柄がにじみ出ているせいだと思います。

また、単なるおバカキャラでないのは、クイズなどで活躍されているDAIGOさんを見たことがある方なら良くご存知だと思います。
知性の星である「龍高星」「玉堂星」をお持ちですし、「玄流局」というIQの高い“型”に入っているので、頭の回転は非常に速い方。

ただ、一番の特徴は、実はその芸術性。
エネルギー全体を見ると、「非生産的世界」や「精神世界」すなわち、学術・芸術方面に偏りがはっきりと見られます。
しかも才能は「調舒星」に集中しており、その感受性に才能が出ると言われています。こういう方は音楽、詩、絵画など芸術方面に優れた才能が出るのです。
陽占の北方にある「龍高星」も、「戊」の器に入っている為、龍高星には珍しく動きが出ません。
動きの出ない「龍高星」は芸術方面にその才能が出ると言い、ここでも彼の芸術的な才能が示されています。

当初、「おじいちゃん話」や、その関係性のギャップの面白さで注目を集めたDAIGOさんですが、芸能界の表舞台で活躍を続けるのは、やはり彼自身の才能と、適性。

表舞台に出てくるのが少し遅かったのは竹下総理との関係を隠していたせいだと思われているかもしれませんが、大運を見ると、ちょうど20代が大運天中殺が陽転する前の「かがむ時期」であった為。
全体的に人間関係に恵まれているので、いずれにしろ30代に入ればブレイクしていたはずです。


このように、「現実力量」や「清濁併せ呑む腹黒さ」が最も必要な「政治」という世界とは程遠い才能や人柄を備えたDAIGOさんが、辰巳天中殺特有の「夢とロマン」と求めて家系から飛び出して行き、祖父や父と全く違う人生を歩んだのは、ある意味「必然」だったと思います。

DAIGOさんの場合は、星にも親運、目上運が良いと出ていますし、実際、お父様が「子供にはやりたいことをやらせる主義」であった事が幸いしました。

ただ、世の中には「家業」を子供に継がせたがる親が多いのも事実。
医者や政治家など、その「家業」の社会的ステータスが高い程、その傾向があると言って良いでしょう。

DAIGOさんは次男なのでその可能性は低かったかもしれませんが、考えてみて下さい。
ルックスも良く、女性受けも良く、機転が利いて頭の回転も速いのです。
無理やりにでも“政治的地盤”を受け継がせようと考える人がいても不思議ではなかったのです。

本来は良い意味ではありませんが、「カエルの子はカエル」と言われます。
ただ、算命学の観点から見れば、それは大きな誤り。
どんな家系、どんな親から生まれようと、子供には子供の才能があり、適性があります。

DAIGOさんに無理やり政治家をやらせようとしたら、確かに票はとれたかもしれません。
ただ、彼のような純粋で繊細な人を政治という濁流の中に投げ込んだら、あっと言う間に潰れてしまうのは誰の目にも明かでしょう。

「家業」に限った話ではありません。
「私の子だから」、「俺の子だから」、と、お子さんの人生を決めつけてはいませんか?

「結婚して当然」、「堅い勤め人になって当然」、「孫が生まれて当然」。
「この家系に離婚した者などいない」、「一族にそんな職業に就いた者などいない」。
そんな言葉で、お子さんを縛り付けてはいませんか?

自分の子供だからと言って、その子は自分のコピーでもクローンでもありません。
親子というご縁はあっても、持つ宿命も、人生も、まったく別のもの。
ご自分にとっての「幸せ」が子供にとっても「幸せ」とは限らないのです。

自分の持つ宿命に逆らう事は、自分のこの世における“役目”を放棄する事。
“役目”を放棄した者に、天は味方しません。
自分らしさを捨て、親に無理矢理敷かれたレールの上を歩んでも、決して成功は得られないのです。

逆に、自分の個性を生かし、自分らしい人生を歩めば、必ず運は味方してくれます。
人生の先輩として、親の背中から多くを学ぶのは大切な事。
ただ、だからと言って親と同じ道を歩む事が正しい道とは限りません。

お子さんも心配する親御さんも、親御さんの言葉に耳を傾けてきたお子さんも、ぜひ一度、お互いが異なる宿命を持つ「別人」であるという事実に立ち返ってみることをお勧めします。



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育て上手な人

2015年06月08日 | 算命学 あれこれ
今や日本の漫画文化は世界にも広まって、“クールジャパン”の象徴の一つとなっていますね(^^)

海外旅行をされる方はご存知だと思いますが、海外の空港でも何故か『ドラゴンボール』のキャラクターのお土産が並んでいたりして、その世界での人気ぶりに驚きます。

良く日本の商業漫画の特徴として挙げられるのが、「編集者」の存在。
海外では漫画も作家の「芸術作品」であるため、編集者がその中身に関わることは無いそうですね。

日本では住居やアシスタントの世話などはもちろん、作品のストーリーの細部まで編集者が関わり、二人三脚の様に作品を作り上げていく場合が多いと聞いた事があります。
名作の陰には、名編集者がいると言っても過言ではないのかもしれません。

『ドラゴンボール』の作者である鳥山明さんのお名前はどなたもご存知だと思いますが、今日取り上げてみたいのは、その鳥山さんを育てた編集者の鳥嶋和彦氏。
『Dr.スランプ』の作中などで“Dr.マシリト”として度々登場しているので、ご存知の方も多いかもしれません(^^)

この方は編集者として鳥山明さんや桂正和さんなど多くの漫画家さんを育て上げただけでなく、編集長としても『ONE PIECE』や『NARUTO-ナルト-』などのメガヒット作品を世に送り出し、また社会現象にもなったゲーム『ドラゴンクエスト』の誕生にも関わられた方。

このように、たくさんの才能ある人々を世に送り出してきた鳥嶋さんは、どのような星をお持ちなのでしょう?

こちらが、鳥嶋さんの陰占と陽占。


  戊 庚 壬
辰 戌 戌 辰
巳 


    禄存星 天南星

玉堂星 玉堂星 司禄星

天庫星 鳳閣星 天庫星


まずは陰占を見ると、地支が「戊、戊、辰」と、すべて土性ですね。
「土性地支一気格」という一つの「格」に入格されているのです。

この「土性地支一気格」ですが、そもそも「土性」が沢山の鉱物資源という“宝”が埋まっているもの。
“宝”は、すなわち人材です。
この「土性地支一気格」を持つ人には人を育てる能力があると言われ、さらに「水」がある場合は“真の教育者”と言われます。

鳥嶋さんも天干に「壬」という水をお持ちですね。
人を育てる能力には、天性のものを持っていると考えて良いでしょう。

陽占を見ると、禄存、司禄の“愛”の星を陰陽そろってお持ちです。
このような方には、人を惹きつける独特の魅力があると言います。
多少厳しい事を言おうと、ネタを容赦なくボツにしようと、裏にあるこの愛情は必ず伝わりますので、人は耳を傾けるのです。

また、天南星の批判力、天庫星の分析力、玉堂星の説明上手などが上手く連動し、作家さんたちへは非常に的を射たアドバイスを、しかも分かりやすくされていたのではないでしょうか?

鳳閣星、玉堂星のぶつかり合いという激しい葛藤は、芸術方面への才能となっても出てきます。
鳥嶋さんの場合は、それが審美眼に出たのではないかと思います。
鳥山明さんや桂正和さんの描く一枚絵の美しさを見れば、彼らの画力の高さをまだ粗削りの段階で見抜いた鳥嶋さんのセンスの良さが分かりますね。

また、売り上げが低迷していた漫画雑誌の編集長となり、結果を急がず、じっくり人を育てる根気強さが最終的に『ONE PIECE』や『NARUTO-ナルト-』といった世界的な大ヒット作を生みだしました。

「丁」の器に入った玉堂星は非常に粘り強いのが特徴ですし、鳳閣星と天庫星の組み合わせも、じっくり時間をかけて物事を追求していきます。

さらに、「壬」の器に入った禄存星は、時代を見抜く眼があると言います。
メディアミックスや、ゲームが大きな社会現象となる時代が来ることをいち早く見抜く眼をお持ちだったのは間違いありません。


このように、陽占を見てみても、鳥嶋さんはご自分の持てる能力をフル活用して人を育てられたのだと分かりますね。

まずは、ご本人にセンスがあり、人や時代を見抜く目をお持ちだったこと。
そして、愛情、冷静で的確なアドバイス、そして、結果を急がずに待つ根気と粘り強さを発揮されたからこそ、素晴らしい人材が育ったのです。


また、自分と目下の関係を表す中央と南方の星が、自分が目下を“やっつける”形になっています。
本来は自分が目下に支えられるのが自然な形なのですが、実は、天将星などを持つ強い目下は、このような目上を持つと伸びるのです。

鳥嶋さんの元で世に出た方々はおそらく過酷な連載などを乗り切るだけの強さをお持ちだったはず。

鳥山明さんも、デビューするまでの期間、鳥嶋さんの元でネームを書いてはボツにされるという修業時代を経験されていますが、その量が1年で500ページにも上ったと言います。
この厳しさがあったからこそ、才能ある素晴らしい作家が次々誕生したのでしょう。

身強の彼らにとって、鳥嶋さんは“理想の目上”でもあったのです。


成功者の中で、もっとも格が高いのが「人を残す人」と言われます。
部下や子供など目下を持つ立場になった時は、ぜひ鳥嶋さんのように、冷静な分析をきちんと理的に伝えながら、じっくり愛情をかけて育てて行きたいものですね(^^)



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