ココロノキンセンイ

劇団あおきりみかん 中元志津が綴る怒涛の日々、けっこう育児日記

芝居づけ継続中

2006-12-10 23:30:13 | みたもの・きいたもの・よんだもの
週末に芝居を3本観た。

AAFプロデュースの『地蔵さんが転んだ』
燐光群の『チェックポイント黒点島』
三重県文化会館の『ウチハソバヤジャナイ』


AAF戯曲賞を受賞した地蔵さんは、西田シャトナーさんの演出により、全く違う世界になっていた。
いや、驚いた。
田舎のお祭りを背景に家族の関係性を描く、ややメロドラマな戯曲が、妖精の森の物語になっていた。
こう文章にしても、意味がわからないしきっと想像もつかないだろう。
多少の違和感は感じたけれど、音楽も衣装も舞台装置も小道具も全体的にあったかくて優しくて、戯曲の持つ不器用な感じが出ていて好きだった。
コロスも含めた座組のいい雰囲気も舞台に乗っていたと思う。
転校生で一緒だった河村梓の衣装が素敵だった。日常的な衣装しか着たことがないので、ああいうファンタジックな衣装で舞台に立つのは楽しそう。
オイスターズで知り合った、「51年会」で劇座の遠山優子ちゃんの演技が初めて観れたのも、良かったし

燐光群は、大学時代に観た作品が今までのベスト1、2を争う程好き。
今回の作品も社会情勢を折り込んだ、完成度の高い作品だと思うが、なぜだかいまいち楽しめない。
暗い話や重い話が嫌いな訳ではもちろんないが、どこかに感情移入できるところがないと入り込めないのだろう。
私が燐光群で好きなのは、社会情勢と日常が重なるところを描いている点で、そこが入り込みポイントなんだけれど。
ちなみに、竹下景子さんは中高の大先輩。
楽屋口で見かけたのだが、めっちゃ細くて小さくて、めっちゃ奇麗だった。
思わずミーハー気分で見てしまった。

ひょんなことから全く偶然に地蔵さんの中打ち上げに参加してしまったのだが、作者の松田さんや燐光群の坂手さんも参加されていていろいろと貴重な話が聞けた。
坂手さんとお話するのは初めてで、とても緊張した。非常に気さくな方だった。
地蔵さんの主演の石本さんは京都の方だけど、あちこちのオーディションを受けて出演されているそうだ。
京都の演劇界も狭くて、すぐにみんな知り合いになってしまってつまらないから、だって。
圧倒される。
経験というよりは、パワーに。


ウチハソバヤジャナイには、大学時代の先輩、ニシムラタツヤ氏が出演していたので、ドライブがてら津まで観に行った。
津には数年前よく通っていたが、久々に行ったら思っていたより遠い。
ケラリーノ・サンドロビッチ作のナンセンスコメディの秀作。
なぜだか自分が学生の頃にやっていた芝居を思い出した。
何というか、日常で起こり得ないことが次々起こるナンセンスさに、ひっかかりを感じることができなかった。舞台の上で起こることが普通に見えてしまう。
おかしなことを当たり前に受け止めることすらおかしく見えてくると面白いのに。
もう少し、勢いが伝わってくると良かった。

自分の本番終わっても、こんな感じに週末は過ぎていく。
好きでやってることだから文句を言ったら怒られてしまいそうだ。