先月の休日のことです。
私が一人でリビングにいると息子がやってきて、
「テレビを見てみて!」
と言い、テレビショッピングの番組をつけました。
そこでは、マッサージチェアが紹介されていて、その日に限り10万円引きだと言っています。
親子というのは、悪い所ばかり似るもので、息子の肩こり症は私に似てしまったようです。
よく肩が凝ったと言い、近くのマッサージ店へ行って2時間くらいマッサージを受けてきています。
それで、以前から
「マッサージチェアが欲しい」
と言っていました。
でも、私は、
「物置になるだけだから、やめたほうが良い」
と反対していました。
実際、私の実家にもマッサージチェアがありましたが、次第に座ることすらなくなり、物置になっていました。
息子は、
「いろいろ調べたけれど、安いものを買うとそういうことになるけど、40万円以上のものなら無駄にはならないらしい。」
と言います。
いくら息子のお金だと言っても、マッサージチェアに40万円も出すなんて、もったいなさすぎです。
私は、とても賛成しかねていたので、その話は立ち切れになっていました。
でも、息子は、ずっとマッサージチェアが欲しいと思っていたようです。
そこに、息子が認めるメーカーのものがその日一日限りで10万円引きで紹介されていました。
マッサージ店へ行くお金や時間を考えれば、すぐに元が取れるようなことを言います。
「どこに置くつもり?」
と言うと、リビングに置くと言います。
リビングにあるルームバイシィクルを処分して、代わりにマッサージチェアーを置くと言います。
肩こりを知らない主人は、マッサージチェアーにお金をかけるのは、もったいないという考えのようでした。
でも、あまりに息子が欲しがるので、しぶしぶOKということになりました。
息子は、早速注文したようです。
「搬入はいつが良い?みんながいる日が良いよね?」
と言って、10月の最初の土曜日に搬入してもらうように頼みました。
私もマッサージチェアーに座ることが楽しみになりました。
お風呂上りに使ったら気持ちが良いだろうなと思いました。
娘に話すと、娘も肩こり症なので、
「私もマッサージする!」
と言って喜んでいました。
翌日、新聞を整理していると、一日限り10万円引きというそのマッサージチェアーの広告が大きく載っていました。
「ああ!これだ!これだ!新聞広告にもなってる!」
と思いながら、書かれているものを読んでみました。
すると、大きさ制限があり、私の家の階段は上れないことがわかりました。
もしかしたら組み立てなのかもしれないと思い、ショップに電話してみました。
でも、組み立てではなく、そのままの形で搬入するため、それだけの大きさがないと入らないと言われました。
あちこち家の寸法を測ってみましたが、玄関は入れますが、私の家のリビングは二階なので、階段を上ることができないことがわかりました。
最悪、一階の部屋に置くことも考えましたが、一階の部屋はすべて入り口がドアなので、幅が足りません。
リビングは引き戸なので、階段を上れれば部屋には入るのですが、階段が登れず、一階の部屋はどこも部屋そのものに入らないというのがわかりました。
仮に外からクレーンで上げるとしても、道路側に広い窓はないので、部屋の中に入れることはできません。
どう考えても無理なので、息子が仕事から帰ってくるのを待って、そのことを話しました。
息子はあきらめきれないようで、あれこれ策を考えていましたが、部屋に入らないのではどうしようもなく・・・キャンセルしました。
その後も、あきらめられない息子は、息子が推奨するメーカーのマッサージチェアーを探し、階段を上れそうなものを探していたようですが、そういうものは、かなり高価らしく手が出ないとのこと。
10万円引きのものは、大きすぎて設置しにくいので、需要が少ないため、安くしたのではないかと思いました。
前の家なら物の搬入は簡単だったのですが、今の家は外から入りにくい設計になっているので、大きな物を搬入するには不都合です。
設計した主人は、物の搬入の事も考えて、少々部屋が狭くなっても階段を広くすれば良かったなと今更ながら言っていました。
今までは特に問題なく生活していましたが、家を建ててから12年経って、初めて不都合を感じた出来事でした。