不思議なフルーツ

先日、ほとんど果物を口にすることのない息子が、珍しいことにレモンを買ってきて欲しいと言います。
子供の頃は、多少は食べていたのですが、ある程度の年齢になってからは、全くと言って良いくらい食べなくなりました。
たまに食べるのは桃とメロンだけです。
それも、剥いてやって、シブシブです。
その息子がレモンだなんて、珍しいなと思いました。

前日の夜、恒例のグループの飲み会があったので、そこで、レモンを入れて飲む美味しいお酒を発見したのかもしれないと思いました。

その日の夕食は手巻き寿司でした。
息子はめったに家ではお酒は飲まないのですが、この日は、レモンを買ってきたので、お酒を飲むのかな？と思いましたが、飲む様子はありません。

食事が進んできた頃、息子は、私に小さな粒を渡し、
「これを食べてみて。噛んだらダメだよ。とにかくずっと舐めていて」
と言います。
見ると、干しぶどうくらいの大きさの小さな実のようなものでした。
果物の種のようにも見えました。
口に入れると、ちょっと甘みがありました。
舐めているうちにすぐに種が出てきました。
「種になったけど、まだ舐めてないとダメ？」
と聞くと、
「もう少し舐めていて」
と言います。
普段なら、いくら息子が言ったとしても、得体の知れないものをやたら口に入れることはないのですが、アルコールが入っていて、警戒心もなくなっていました。

その間、息子は台所へ行って、何かやっています。
どうやら、レモンを切っているようです。
そして、８等分にくし型切りにしたレモンを持ってきて、
「これ、食べてみて」
と言います。

言われるままにレモンを食べてみたところ・・・

なんとレモンが甘い！
まるでレモンの砂糖漬けを食べているみたいです。
美味しくて、次々にレモンを食べてしまいました。

息子が食べてみるように言ったのは、味覚が変わるフルーツでした。
ミラクルフルーツというそうです。

ネットで画像を拝借しました。

これを食べると、酸っぱいものや苦いものが甘く感じるらしい。
でも、レモンはレモンです。
味覚は変わっても、酸っぱい本質は変わらないので、私は、鼻の頭に汗をかいていました。

「甘い、甘い。美味しい、美味しい。」
と私が、しきりに言うので、ツブがレモンをガブリと食べて、酸っぱい顔をしていました（笑）

このミラクルフルーツ、かなり高額です。
１粒、２００円もするそうです。
値段にもびっくりです。
「国内で普通に生産されるようになれば、安くなるんだろうけどなぁ」
と息子は、言っていました。
その時、私が飲んでいたお酒は、レモンサワーでしたが、まるでジュースみたいに甘くて美味しい飲み物になりました。

原産地の人は、砂糖の代わりにこのミラクルフルーツを食べて、味覚を変えているそうです。
確かにやたらと砂糖を多く摂り過ぎなくても良いかもです。
それにしても、高すぎだなぁ。

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