孫たちのオーストラリア

今回のオーストラリアへの旅行は、本当は昨年の２月に行く予定でした。

一昨年、パパの両親が、家族そろって旅行をしたいと言い、全員そろっての旅行は、これが最初で最後だろうから、どこでも好きなところを決めるようにパパとパパのお兄さんに言ったそうです。
それで、兄弟で、「どこへ行く？」という話をしていた時、私の主人の胃がんが見つかりました。
それを知った娘がそんな時に旅行へ行く気分になれないと言い出し、昨年の旅行はなくなりました。
私たちは、早期のがんだし、たいした手術ではないから大丈夫と何度も言ったのですが、娘は気が乗らなくなり、結局、旅行は中止になり、今年に持ち越されました。

海外旅行は、みんなが旅行に行く長期の休みの時期だと料金も高くなるので、平日に行くことになります。
そうなると、学校を休んで行くことになり、まめが中学へ行くようになれば、学校を休んでまで旅行というわけにはいかないだろうという事で、今年が最後のチャンスということで決行したようです。
２月に限定されるのは、たぶん、パパのお父さんとお兄さんの仕事の関係だと思います。

昨日も書きましたが、旅行の話が持ち上がった時、ツブは一人だけ、「海外へ行くなら旅行は行かない」と言い張っていました。
飛行機に乗りたくないので、新幹線で京都へ行きたいと言い、飛行機を利用しない場所を望んでいました。
娘とお兄さんの奥さんも特に海外でなくても国内旅行でも良いとディズニランドのホテルに何泊かするとか雪の温泉も良いんじゃない？などと言っていたのですが、パパとパパのお兄さんが、せっかく行くなら海外が良いと言い、結局海外へ行くことになりました。
兄弟二人で色々話し合い、最終的にオーストラリアへ行くことで話がまとまったようです。

ツブは、頑として自分だけは行かないと言っていました。
「ジジとババの家で待ってる」「ジジとパパの家から学校へ行く」とツブは言い続けました。
でも、オーストラリアでの海やコアラの話は魅力的だったらしく、パスポートを作ったりして、旅行の計画がどんどん進んでいくうちに
「飛行機に乗ることは忘れて、オーストラリアで楽しむことだけを考える」
と言うようになりました。
パパは過去にオーストラリアへ行ったことがあるらしく、その時に体験した楽しかったことをツブに色々話したようです。
そして、それらを聞くうちにツブの心も徐々にオーストラリアへ向くようになりました。
でも、だんだん日にちが近づくにつれて、ツブは憂鬱になってきていて、
「もうすぐ死ぬ」
と口走るようになりました。

それに比べてまめは積極的で、早くオーストラリアへ行きたいとそればかり。
「あと三日、あと二日と指折り数えていて、心はすでにオーストラリアへ飛んでいました。
まめは、去年タイに行っているので、海外は二度目。
飛行機を怖がることもなく、どんどん乗りたいくらいのようです。

そんな対照的な兄弟ですが、とうとうツブも飛行機に乗ってオーストラリアへ行くことができました。
飛行機に乗り慣れている人でも、離着陸の時は緊張すると聞くし、私もやっぱり飛行機は嫌だなと思うので、なかなか慣れないものかもしれませんが、子供だし、一度乗って、なんてことないというのがわかれば、これからも乗れるようになるのではないかと思います。
この先、どんな人生を送るのかわかりませんが、海外へ行くこともあるかもしれないので、慣れておいた方が良いだろうと思います。
一週間近く学校を休むことになりますが、その間のツブへの宿題は、オーストラリアでの出来事を作文にすることなんだそうです。

単に旅行ではありますが、同じ海や山でも日本とは違うと思うし、子供たちにとって貴重な経験になるだろうと思います。