うずくまっていた鳥

今日は、朝からどんよりした空。
今にも雨が降ってきそうでした。
歩きたくないなぁと思いましたが、一度のサボりがきっかけで、歩かなくなることもあるかと思い、出かけることにしました。

いつもなら土手に出ると、必ずバードウォッチングの人を一人や二人見かけるのですが、お天気のせいか誰もいませんでした。

土手を歩いていると、見たことのない鳥を見かけました。
近くにたくさんのムクドリがいたのですが、その鳥は一羽だけでした。
身体も大きくてムクドリの倍くらいの大きさがあったような感じがしました。
身体全体は茶色なのですが、身体にオレンジ色の線が二本あったような気がします。

珍しい鳥だなと思い、急いでスマホを取り出して写真を撮ろうとしたのですが、その瞬間に鳥は飛び立ってしまいました。
どこかに止まったら再度写真を撮ろうと思い、鳥を目で追ったのですが、その鳥は、私の視界から消えてしまいました。
こんな時に望遠レンズのついたカメラを持っていれば、鳥が飛び立つ前に写真を撮って、何と言う鳥か調べられたのになぁと思いました。
写真が撮れなかったのが残念でした。

すると、その先に再び見たことのない鳥を発見しました。
土手の隅にうずくまっているような感じに見えました。
グレーの身体にピンクの線が見えました。

今度こそ、近づかないうちに写真を撮らないとと思いシャッターを切りました。
その後、少し歩いて鳥に近づいて行きましたが、その鳥は一向に動く気配がありません。
「どこか怪我でもして動けなくなっているのかなぁ」
と思いました。
ずいぶん近づいていましたが、それでも動かない。
「死んでいるのかなぁ。でも、死んでいるなら、横になっているはず。あんな恰好では死なないだろう。
もしも、瀕死の状態だったら、どうしよう？助けなければいけないだろうし、その時は、どうしたら良いかな」
と思いながら、徐々に鳥に近づいて行きました。

すると、何という事！
それは、鳥ではなくて、手袋でした。
落ちた手袋が、遠くから見たら鳥に見えただけでした。
その前に見たことのない鳥が逃げてしまったので、余計に手袋が鳥に見えたんだろうと思いました。

まったくぅ！

腹立たしくて、撮った三枚の写真を削除しました。

今から思ったら、あの写真、削除しなければよかったと思いました。
家に帰ってちゃんと見れば、最初から手袋だとわかったかもしれないなぁと。