一羽のカラス

朝のウォーキングの時、いつもの土手を歩いていると、突然「ギギッー」という鳥の声がしました。

先日、雉を見かけたので、もしかしたら雉が鳴いたのかな？と思い、声のする方を見ると一羽のカラスがいました。
カラスって、「カァーカァー」と鳴くんじゃなかったっけ？と思いましたが、鳴いたのは間違いなくそのカラスでした。
じっと見ていると、カラスの歩き方が変です。
何となくびっこを引いているように見えました。
「どこかが痛くて、あんな鳴き声をしたのかな？」と思いました。
カラスは、回りに何か食べ物があるらしく、道路をつっついていました。


食物は大丈夫らしいけれど、飛べないのかもしれないと思いました。
何となく気になって見ていると、カラスは突然飛びました。
でも、高くは飛べないらしく、ガードレールを飛び越えるくらいの高さを短く飛んで、草の中に降りて再び何かをついばんでいました。
その様子を見ているとやっぱり歩き方が変でした。

後ろ髪を引かれる思いで、その場を通り過ぎました。
何かで怪我をしたんだと思います。
あんな声を挙げるほど、痛いんだろうなと思いました。
大丈夫かなぁと思いました。
そんな自分の気持ちが不思議でした。

にっくきカラスです。
ゴミを荒し、時には人や犬を襲うこともあります。

私が知っているクマちゃんというワンコはカラスに襲われ、それが元で亡くなりました。
クマちゃんは、おとなしいワンコだったのに、何が気に入らなかったのか、カラスは、クマちゃんを襲いました。
なので、勘九郎とはなを散歩させているときなど、電柱に乗って頭の上でカラスが鳴いていると、襲われるのではないかと思ったりします。

先日、ごみ置き場のゴミ袋をカラスが引っ張り出して、道路に撒いたため、私が車で通ろうとしたとき、撒かれたゴミ袋のため立ち往生しそうになりました。
たまたま通りかかった女性が、撒かれたゴミ袋を片付けてくれて、私は車から降りることなく通ることができました。

娘の家に巣を作ったツバメのひなもカラスにやられたことがあります。

カラスは怖い存在でもあり憎い存在でもあります。
それなのにびっこをひいて、痛そうに鳴いたカラスが心配になりました。
イノシシやサルも同じです。
襲われれば、怖いし憎いけれど、捕獲されて殺処分されたと聞くと心が痛い。
ヒトの矛盾です。