珍しくボックス席のある電車に乗りました。
私は迷わずボックス席に座りました。
ちょっと旅行気分が味わえそうだし、景色も見やすいと思いました。
進行方向の窓側の席に座り発車を待っていると、作業服を着た中年の男性が汗を拭きながらやってきて、私の前の席の通路側に座りました。
顔色を見るとちょっと赤っぽくて、もしかしたらアルコールが入っているのかもしれないと思いました。
その人からは汗なのかアルコールなのかわからないような臭いがしました。
私はボックス席に座ったことを後悔しました。
<何か話しかけられたりしたらイヤだな~>
<まだ横並びの席が空いているからそっちに移ろうかなぁ~>
そんなことを思いながら発車を待っていると、親子連れがやってきました。
最初に5~6歳くらいの女の子が私の隣に座ったので、その男性は自分の席をお母さんに譲って私の前の窓側の席に移りました。
親子は対面するような形で座ることになりました。
この男性は、もしかして好い人?と私は思いはじめました。
すると女の子がぐずり始めました。
聞いていると、お母さんと対面の席ではイヤだということのようです。
その辺の状況がはっきりつかめずにぼんやりしていた私でしたが、その男性はさっと立ち上がって
「良いよ。ここに座りなさい。」
と言って、自分の席を女の子に譲り私の隣に座りました。
あぁ、この人、やっぱり良い人だったんだ!
ちょっと警戒したことを申し訳なく思いました。
その男性のおかげで並んで座ることができた親子は、とても楽しそうにしていました。
私はぼんやり親子の様子を眺めたり、窓の外を眺めたりしていました。
その親子は、途中の駅で降りていきました。
母親は降りる前に、その男性に丁寧にお礼を言っていました。
親子が降りてしまうと、その男性は
「隣に座って暑苦しかったでしょう?」
と私に言い、また元の通路側の席に戻りました。
それは嫌味な言い方ではなく、自然なさわやかな言い方でした。
私は、
「いえいえ、とんでもない!」
と心から言いました。
男性の臭いは汗の臭いでした。
アルコールは入っていなかったようです。
赤い顔は日に焼けたためだったのだろうと思いました。
それから私はウトウトとしてしまいました。
途中の駅で目が覚めましたが、それ以降ぐっすり眠ってしまったようです。
「終点ですよ。」
と肩をたたかれ飛び起きました。
小学生くらいの男の子を連れた女性が私を起こしてくれました。
瞬間に
「ありがとうございます!」
と言って立ち上がると、その人はお子さんと共にさっさと歩いて行ってしまい、背中しか見えませんでした。
通路側に座っていた先ほどの男性は、いつの間にか別の駅で降りてしまっていたらしく、その席には誰もいませんでした。
電車の中での出来事でした。
特別なことがあったわけではないのですが、めったに乗らない電車なので、出来事が新鮮でした。
私は迷わずボックス席に座りました。
ちょっと旅行気分が味わえそうだし、景色も見やすいと思いました。
進行方向の窓側の席に座り発車を待っていると、作業服を着た中年の男性が汗を拭きながらやってきて、私の前の席の通路側に座りました。
顔色を見るとちょっと赤っぽくて、もしかしたらアルコールが入っているのかもしれないと思いました。
その人からは汗なのかアルコールなのかわからないような臭いがしました。
私はボックス席に座ったことを後悔しました。
<何か話しかけられたりしたらイヤだな~>
<まだ横並びの席が空いているからそっちに移ろうかなぁ~>
そんなことを思いながら発車を待っていると、親子連れがやってきました。
最初に5~6歳くらいの女の子が私の隣に座ったので、その男性は自分の席をお母さんに譲って私の前の窓側の席に移りました。
親子は対面するような形で座ることになりました。
この男性は、もしかして好い人?と私は思いはじめました。
すると女の子がぐずり始めました。
聞いていると、お母さんと対面の席ではイヤだということのようです。
その辺の状況がはっきりつかめずにぼんやりしていた私でしたが、その男性はさっと立ち上がって
「良いよ。ここに座りなさい。」
と言って、自分の席を女の子に譲り私の隣に座りました。
あぁ、この人、やっぱり良い人だったんだ!
ちょっと警戒したことを申し訳なく思いました。
その男性のおかげで並んで座ることができた親子は、とても楽しそうにしていました。
私はぼんやり親子の様子を眺めたり、窓の外を眺めたりしていました。
その親子は、途中の駅で降りていきました。
母親は降りる前に、その男性に丁寧にお礼を言っていました。
親子が降りてしまうと、その男性は
「隣に座って暑苦しかったでしょう?」
と私に言い、また元の通路側の席に戻りました。
それは嫌味な言い方ではなく、自然なさわやかな言い方でした。
私は、
「いえいえ、とんでもない!」
と心から言いました。
男性の臭いは汗の臭いでした。
アルコールは入っていなかったようです。
赤い顔は日に焼けたためだったのだろうと思いました。
それから私はウトウトとしてしまいました。
途中の駅で目が覚めましたが、それ以降ぐっすり眠ってしまったようです。
「終点ですよ。」
と肩をたたかれ飛び起きました。
小学生くらいの男の子を連れた女性が私を起こしてくれました。
瞬間に
「ありがとうございます!」
と言って立ち上がると、その人はお子さんと共にさっさと歩いて行ってしまい、背中しか見えませんでした。
通路側に座っていた先ほどの男性は、いつの間にか別の駅で降りてしまっていたらしく、その席には誰もいませんでした。
電車の中での出来事でした。
特別なことがあったわけではないのですが、めったに乗らない電車なので、出来事が新鮮でした。