はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

息子が肺炎になった時のこと

2007年12月04日 | 回顧録
今年は、インフルエンザが例年になく早い時期から流行しているようです。

私は、子供の頃、インフルエンザにかかったことがあります。
小学校の低学年の頃でした。
高熱と腹痛で病院の待合室にいることさえ辛かったのを覚えています。
すっかり治って母と一緒に学校へ行くと、構内はシーンと静まり返り、人の気配がありません。
聞けば、インフルエンザが流行したため学校閉鎖になったとのこと。
当時はどこの家庭も電話はなく、私も長い間学校を休んでいたため、連絡が来なかったのだと思います。
私の子供の頃は病気になると、着物を着せられたような気がします。
何でだろう?母の趣味だったのかなぁ。
今でも、着物を着て病院の待合室にいた自分を思い出します。

息子も子供の頃、インフルエンザになりました。
高熱が続き、最高41度を記録しました。
その時の汗で息子のベッドにカビが生え、その黒ずみはずっと消えませんでした。
たった1日であんな風になってしまうなんて驚きでした。

息子は小さいときから、食の細い子供で、一体何を食べて生きているのかと思うような子でした。
なので、すぐに風邪をひいては病院にかかり、ずいぶん長い間、病院とは縁が切れない子供でした。
しかも、ただの風邪では済まずに、髄膜炎になったり、肺炎になったりと、まさに『風邪は万病のもと』という言葉を地で行くような子供でした。

忘れもしません。
息子が小学生のときのことです。
夏休みが終わり、学校が始まった9月1日のことです。
その日は、たいていの学校で避難訓練をします。
その年は、息子の学校では大々的な避難訓練が行われ、ヘリコプターまで出動しました。
空気が乾燥していた校庭は、ヘリコプターからの風で埃が舞い上がり、子供たちはどの子も埃で真っ白になりました。

その翌日、息子は熱を出しました。
その後、だんだん咳も出るようになり、夜中になると苦しそうでした。
熱を出した時点でかかりつけの病院へ行っていたのですが、薬を飲んでも一向に熱も咳も治まりませんでした。
そんな状態が続いた三日目に、心配になった私は、もう一度病院へ行きました。
先生は、
「お母さん、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。そのうち、熱は下がりますから、もう少し様子を見ましょう。」
と言うのですが、私は
「こんなに熱も咳も続くなんて心配なので、とにかくレントゲンを撮ってください。」
とお願いしました。
先生も笑いながら、
「そんなに言うなら、撮ってみましょう。」
ということで、レントゲンを撮ると、息子の胸は下のほうから徐々に白っぽくなっていました。
レントゲンを見るなり、先生は、
「やっぱりお母さんですね。肺炎になっています。すぐに大きな病院へ行ってください。」
と言い、紹介状を書いてくれました。

病院では即、入院でした。
入院して治療すればこれで一安心と思っていたのですが、息子の状態は入院してからも一向に良くならず、ますます肺の炎症は広がっていきました。
当時、私は、家からすぐ近くの会社に勤めていました。
面会時間が3時からなので、息子が入院している間は、面会時間に合わせて早退させてもらい、面会に行きました。
でも、何日経っても息子の熱は下がらず、日に日に衰弱していくようでした。
息子は、だんだん自分の力で寝返りすらできなくなっていました。
息子は、
「お母さん、見て!ボクのおチンチンがこんなにしぼんじゃってる。だから力が入らないんだ。自分で横に向くこともできないんだよ。」
と私に訴えます。
見ると、高熱のため、息子のおチンチンは、すっかりしぼんでグニュグニュになっていました。
息子の体は細くて小さくて、私にもしぼんだおチンチンが息子の体力の象徴のように見えました。

先生は、
「普通ならそろそろ熱が下がっても良いのですが・・・」
と首をかしげます。
「どうして、熱が下がらないのだろう?このまま息子は回復しないのだろうか?」
帰りの車の中で涙が止まらず、周りが曇って見えなくなります。
嗚咽で胸が痛くなります。
声に出して泣きそうになる所をこらえました。
そして、真っ暗の田んぼの道に車を止めて、思いっきり泣きました。

翌日、家にいても仕方ないので、いつもの通り仕事に行き、そして暗い気持ちで息子が待つ病院へ行きました。
すると、息子はベッドから起き上がって、漫画を読んでいました。
とても元気で明るい顔をしています。
前日の晩、私が帰った後、熱が下がり始めたらしいのです。
そして、私が病院に着いた夕方頃は、まだ熱は残っていたものの、息子はずいぶん元気になっていました。

子供って、回復し始めると早いものです。
見る見るうちに良くなり、その後はすぐに退院できたように思います。

可愛かった息子も、今ではバカ息子と化しています。
あの時は、あんなに心配したのに

インフルエンザからそんなことを思い出しました。


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