はーちゃんの気晴らし日記

気ままに 楽しく 書きくけこっこ!

ブップーおばさん

2014年11月17日 | 出来事
先日、勘九郎とはなの散歩をしていたら、後ろからツブと近所の子供が自転車に乗ってやってきました。
ツブは、「オレ、一番!」と言いながら、私を追い抜いていきました。
ツブは、近所の子供の自転車に乗っていましたが、自転車の持ち主である近所の子は、ツブのバランスバイクに乗っています。

以前も書きましたが、バランスバイクです。



バランスバイクはペダルがなく、足で漕ぐ自転車なので、歩くよりは早いけれど、自転車のようなわけには行きません。
近所の子は、私のそばに来ると
「もう、疲れちゃったよ。そんなに早く走れないよ。」
と、言います。
私は、
「バランスバイクじゃ、そんなに長く走れないよ。疲れたなら、慌てなくても良いから、私と一緒に行こう。」
と言いました。

なんてことない話をしながら、二人で歩きました。
すると、ある家の駐車場の前を通りかかった時、その子供が
「ねぇ、あの車、ブップーおばさんの車だよね?」
と言います。
「えっ?何おばさん?」
と私は、聞き返しました。
「ブップーおばさん!ブップーおばさんだよ!」
と言います。

ブップーおばさん・・・なるほど。

私の近所に、やたら、クラクションを鳴らす人がいます。
その人は、私より10歳くらい年上だと思います。

私の家の前の道路は、用事のある人しか入ってこないような道路です。
普通にすれ違いはできますが、それほど広い道路ではありません。
その道を我が物顔に走ります。
スピードも出すし、一分一秒待てない人です。
スピードを落とさなければならないとか、ブレーキを踏まなければならないような状況になると、すぐにクラクションを鳴らします。

ある時は、道路周辺の人たちの車が、荷物の積み下ろしをしていることもあります。
何かの都合で、道を塞いでしまうこともあります。
それは、お互いさまなので、私なら待ちます。
私でなくても、大抵の人が、お互いに譲り合って待ちます。
道路を塞いでいる人も、待っているのがわかっているので、すぐに移動してくれます。
クラクションを鳴らさなくても、お互い判断して、常識的な対応をしています。
でも、その人だけは、一切そういうことがなく、すぐにクラクションを鳴らすので、近所の人たちは、ブップーおばさんと呼んでいるんだと思いました。

以前、お隣の飼い犬が、そのおばさんが運転する車にはねられたことがあります。
「お宅の犬が飛び出してきたのよ。私はスピードを出していないから」
と、おばさんは言ったそうです。
「あれで、スピードを出していない、って・・・」
とお隣の奥さんは、あきれたように言っていました。
幸い、お隣のワンちゃんは、たいした怪我もなく済んだので、その後のいざこざはなかったようですが、その時も、誰もが、そのおばさんの運転なら、そういうこともあるだろうと思いました。

私の家の前がアパートだった頃、おばさんのクラクションで、ぶっちぎれたアパートの住人が、車から飛び出し、大声で怒鳴るのを見たこともあります。
そんな事があっても、おばさんは、相変わらず、すぐにクラクションを鳴らします。

そういえば、私も、一度、その人のクラクションであきれた経験があったのを思い出しました。
まだ私の父が、生きていた頃のことです。
その頃、父は、アルツハイマーが進んでいて、私の家に来ることも滅多にありませんでした。
歩行も困難になりつつありましたが、それでも一歩二歩と自分の足で歩いていました。
弟が運転する車で、両親と弟の家族が遊びに来て、そろそろ帰るというときでした。
弟は駐車場へ車を取りに行き、父は、自分の歩行がおぼつかないので、他の人より先に玄関から出ました。
そこへ、そのおばさんの車が来ました。

父も、車が来たのはわかっていたので、急いで道路の脇に移動しようとしていたのですが、なにせ、不自由な足だったので、動作も鈍く、ゆっくりゆっくり移動していました。
その人は、父の近くまで来て、即座にクラクションを鳴らしました。
私の家の前は直線道路なので、遠くからでも先の様子がわかります。
一歩二歩と、やっと歩いている父の姿は遠くからでも分かったはずです。
それでも、父に「どけ!」とばかりに、クラクションを鳴らしました。
私はあきれました。
なんと余裕のない人だろうと思いました。

たぶん、そのときが父が、私の家に来た最後だったと思います。

ブップーおばさんの車から、そんなことを思い出しました。
性格なんでしょうけど、変わった人だな思います。


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