互いに特別な存在になっていた貴方と私

その他大勢の人から

特別な誰かになる

瞬間って

どう訪れるんだろう



きっと

私も貴方にとって

最初は

その他大勢の子の中の

ひとりに

過ぎなかったし



私にとっての貴方も

最初の頃は

その他大勢の人のうちの

ひとりに

過ぎなかったはずなのに



気付けば

軽口叩き合ったり

冗談を言っては

お互いに居心地の良さを

感じていたんじゃないかと

思う



貴方のこと

もっと色々知りたかった

貴方と

もっと色々話したかった



日々、後悔ばかりの毎日

後悔したって

貴方には会えないのに

行き場のない想いを

抱えたまま

秋は深まっていくばかり



街行く人の中で

貴方を探してみても

マスク越しじゃ

きっと

余計見つけられないのに

貴方を探さずには

いられなくて……