旧約聖書にユデイット記
というのがある
旧約続編なので 知る人も少ないだろう
女性である しかも 若い
夫を 若くして 亡くした 未亡人
である
当時 16万人という 膨大な敵軍に
囲まれた イスラエルの砦があった
砦といっても 一つの町である
水源も 敵に 奪われ 飲み水にも
事欠く 有様
町の 長老たちは 敵の奴隷になってでも
死ぬよりは ましと あきらめていた
そのとき 彼女が 名乗り出た
私を 敵軍に向かわせて 欲しいという
なすすべもない 長老たちは
常々の 彼女の信仰を見て
それを 受け入れる
なに 一人の女性が どうできるというのか
神様が 何かされるのかも と 言った 記述はない
長老たち が どう思ったかは わからない
いずれにせよ 彼女は 侍女一人を連れて
16万の 軍隊に 向かう
きらびやかに 盛装して
大胆にも 敵将に直接あいに行った
彼女は 敵軍見張りに こういう
イスラエルの 砦の 秘密があり
それを 伝えに来ましたと
見張りは 彼女があまりに うつくしいので
驚いた
将軍に伝えると 兵糧攻めの最中
時間のある 将軍
彼女をみて よからぬ思いを抱いた
余りに 美しかったからである
彼女を 得る前に 酒宴を開いた
大量の酒に 酔った将軍
彼女の前に 寝てしまった
彼女と将軍の間を気遣った
部下たちは 誰もいない
これこのとき とばかりに
将軍の剣を取った彼女
神様に祈り 力いっぱい
寝ている将軍の 首に降り下ろした
首を取ったのである
ものすごいのは ここから
スカートの中に 将軍の首を隠し
泉に 沐浴に行くといって
外に でてしまった
急いで そのまま 砦に戻った
砦にいた 敵将の顔見知りに
首実験を して 確認するや
砦に その首をかかげ 時の声をあげた
敵軍は 慌てて将軍に指示を 仰ぎに行くと
首のない 将軍がいた
何事が 起こったのか恐怖にかられた
そして 砦に将軍の首を見て
一斉に 浮足立った
そこに イスラエル軍が 殺到したのである
敗走する 16万の兵たち
さんざんに 打倒す イスラエル軍
のち 月桂樹の冠を ユデイットに冠らせ
踊りながら エルサレムに
凱旋 するのである
これは たった一人の女の
剣の 一振りが イスラエルを救った
歴史である
ダビデより凄いではないか