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ウィリアム スタイグ作/瀬田貞二 訳/評論社
これは、いいお話です。「まほうの小石」で何かミラクルを起こすのではなく、困ったことに巻き込まれ、家族が絆を深めるお話。小6息子にも読みました。
<あらすじ>お父さんお母さんと暮らしているロバのシルベスター・ダンカンは、石を集めるのが大好き。ある日いちご谷の川のほとりで、赤く光る丸い小さな石を見つけます。なんと、その石は、手に持っているとなんでも願いごとが叶う「まほうの小石」だったのです。
しかし、嬉しくて家に帰る途中ライオンに出会ってしまい、慌てたシルベスターは「石になりたい」と願ってしまったからさあ、たいへん。石になったシルベスターは、もとに戻ることができなくなってしまいました。お父さんお母さんには、もう会えそうにありません…。
* * *
魔法がかかる法則が知れたところで「すごい!」と小さく息を飲む声が聞こえました。
15分きっかりの長い話で、数人はちょっと途中でもそもそする気配もありましたが、だいたいの子は真剣に引き込まれている様子でした。
行方不明のシルベスターを、ダンカン夫妻が必死で探し回る場面に胸が痛みます。親目線の場面が長いので、3年生にはちょっと早かったかな。息子のほうが、悲しい感じを受け取ってくれたみたいです。
でも、やっともとに戻るところでは、数人が嬉しそうに笑顔になってくれました。もちろん、シルベスター目線でもお父さんお母さんを恋しい気持ちに共感する、とても素敵な家族のお話です。