2019年の絵本でローレンス・シメル作、絵はフアン・カミーロ・マヨルガ、翻訳は宇野和美です。
お兄ちゃんとの生活がどんなものか、お兄ちゃんがいかにスゴイかを素直に自慢する弟の目線で語られます。
お兄ちゃんは何でもよく覚えているとか、街中の階段が何段か知っているとかなんとか。
だけどそのうち、あれ?と気になる描写が。
お兄ちゃんは、お母さんが鍵をキッチンに置くのを「聞いていた」とか、くらやみでも本が読める…すごい!とか。点々が付いている本を指でなぞって…とここまで聞けばさすがにハッと気が付きます。
視覚障がいをポジティブに捉えながら、お兄ちゃん大好きというお話に持って行くのだから上手いもんですね。再読するとまた違う感慨がありそうです。
長く読み聞かせをやっていると、定番の絵本ばかりに手が伸びがちですが(そして若干マンネリ化していく)、こうしてたまに新鮮な驚きを感じる絵本と出会えるのはいいもんですね。