TV取材のほうは予想通り、安上がりな情報収集としてのアプローチのようでした。あの後、17件ほどの設問があるアンケートを、期限付きで返信してほしい旨のメール返信がありました。
もちろん、TV番組制作も事前の情報収集が大切でしょうし、そのツールとしてインターネットを利用するのは、使い方さえ間違わなければ、ひとつの合理的な方法だと思います。
しかし気になるのは「安上がりな情報収集手段」として利用しているのではないかということです。
もちろん、一般人が安上がりな情報収集の手段としているならまだしも、TV番組という、強力な力を持つマスメディアの制作者が、もし安易な思考の結果としてこのようなことをやっているのだとすれば、悲しいハワイ情報番組の制作方法だなぁ、という感じがするわけです。
えらそうに聞こえるかもしれませんが、やはり調査や取材に基づく情報提供というものは、自らの現地取材や、自らそこにいる人間にぶつかるという姿勢が大切だと思っています。さらに言えば、自腹(費用の自己負担)で取材・調査していれば、いやでも質の高いものになります。ただしこの部分は、趣味や道楽、あるいは信念でやっているものと、ビジネスとしてやっているものとでスタンスの違いがありますから、あくまでも理想です。
ドラマにしろノンフィクションにしろ、番組制作会社はTV局に完パケ*1を買ってもらい、その代金から制作費用を除いたところで利益が出る構造です。そこで利益の出る道、あるいはスポンサーがつく道を選択せざるを得ません。そのスポンサーだって、利益を出すためにやっている広告宣伝活動です。いきおい、「情報番組」というものは限りなくビジネス構造に寄り添った形でつくられざるを得ません。番組自体が広告になっているパターンもありますよね。
しかし、「いい情報」というのは、それなりのコスト(お金という意味だけでなく労力や時間、人脈なども含めて)がかかるものではないでしょうか。
現代は情報があふれている、とよくいわれるわけですが、その情報の質であるとか、出所、情報発信元の背景などにも意識を向けてみると、何かが見えてくるのかもしれません。
*1完パケ
完全パッケージの略。映像や音声が編集済みで、そのままオン・エアできるところまで完成されたビデオのこと。
このページは楽しみでちょくちょく見に来ております。出来る範囲で結構ですので是非続けて行ってください。
コメントありがとうございます。
とうとう1年が過ぎてしまいました。振り返ってみれば、2008年のゴールデンウィークに伯母と母をハワイに連れていったそのあと、伯母のアルツハイマーが進行し、日常生活が大きく変わってしまいました。
現時点では、ぶらり「一人旅」ができる状況ではありませんが、これまでの取材や体験をもとに記事を書いたり、お問い合わせにお応えしていこうと思っております。
これからもよろしくお願いいたします。