『ヤマタノオロチ』

こんにちは、やや半次郎です。

今日は金曜日ですが、明日は菊花賞でアタマが一杯のハズなので出て来てしまいました。

それでは、やや半次郎の世界をお楽しみ下さい。

………………

『ヤマタノオロチ』

ジャ～ン、ワシはヤマタノオロチだ～。
どうだ、怖いだろ～？

今日は生憎、鳴り物の担当さんが別の所に興行に行っていて留守なので、地味～に自分の口で効果音を鳴らして登場したがな。

えっ、ヤマタノオロチって何だって？

そりゃあ、お前、股が八つもあるオロチやないかいな。
知らんの？
オロチ言うたら、大蛇やないかィ。
ホンマに知らんのかいな、やりにく！

えっ、何が？
蛇の股ってどこかって？

そらお前、八つに分かれてる付け根やないかい。
こらこら、じ～っと見なさんな。こそばゆぅなるわ。

…改めて訊くが、どうだ、怖いだろゥ？

えっ、山田のオロシうどんの方が美味いって？
なんやねん、それ。

“ヤマタノオロチ”、“山田のオロシうどん”って、全然、違うやん。
何考えてケツカんねん。

山田うどんって、あの山田うどんかいな？
何で山田うどんやねん。
ほな訊くがな、一体どういうところが美味いんや？

なになに、麺がモチモチしている上に、大根おろしがタップリ入っていて、そりゃあ美味い…ってか？

何を言うてんねん、しょうもな～。
動物性タンパク質がどこにもあらしまへんがな。
ワシ等の体を見てみぃ、こんなに大きいんやで。
こんな体を支えて行くには、動物性タンパク質がぎょうさん要るねん。必要やねん。
…お前なんか丁度、おやつに手頃やないか。食べたろか。

痛て、イテテ、イテテ、イテテェェオ～！
ホラ見てみぃ、バナナボートみたいになったやんかぁ。
…言うても、今の若いもんにゃ分からんやろな。

いやそんなんどうでもええわ。
何で今、痛かったんやろ？
もの凄う痛ぅて堪らんかった。

おい、あんさん、さっきからブツブツ、ブツブツ、ワシに質問してない時でも、ブツブツ言うとるけど、一体何やの？
何ぞ、オモロないことあったんか？

あぁ、オモロないことばっかりや…って？
も、も、もしかして…、八つ当たりかェ？
このワシに、八つ当たりしとる？

ひえ～、た、た、助けてくれ～！
ワシゃ、あたるモンはダメなんや。
“食中り”なんちゅうたら、命も奪われるんやぞ。

しかも、ヤマタのオロチだけに、八つにあたる“八つ当たり”だけはダメやねん。全滅やもん。

ブルブル、ガクガク…ほな、帰るでェ。
サイナラ。

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