こんにちは、やや半次郎です。
天気はスッキリせず、蒸し暑いですが、やや半次郎の可笑しな世界でスッキリ、リフレッシュといきましょう。
………………
『穴』
何やら気付かぬ間に、大きな穴が空いていた。
一体、この穴は何だろう?
昨日までは穴など空いていなかった。
それが、今朝、起きてみたら人が5人は入れそうな大きな穴が空いていた。
一体、誰の仕業だろう?
こんなところに穴を空けて、気付かずに落ちた奴を笑うつもりだろうか?
「ドッキリです!」とか言って…。
どこかに隠しカメラがあるんじゃないか?
それとも、四次元の世界へ通じる穴だったりして…。
時間も空間も超越した通路…、つまり早い話しが、ドラえもんの“何処でもドア”と“タイムマシン”が合わさったようなものだ。
喩えが子ども漫画で恐縮だが、モノを知らないので許してくれ。
それにしても誰が何の目的で、ここにこんな穴を掘ったのだろう?
危険極まりない。
直ぐに交番のお巡りさんに連絡しよう。
いや、待てよ、まだ事故が起きた訳ではないからお巡りさんはないか。
国土交通省か?
いや、道路じゃないから違うんじゃないかな。
環境省辺りかも…?
ガス漏れも心配だからガス屋にも連絡しなくちゃいけない。
もう難し過ぎて分からん。
どこでもいいから連絡しよう。
いや、待てよ、ただ連絡しただけでは動いてはくれないだろう。
少しは自分で調べてから連絡しよう。
それからでも遅くない。
子どもたちが遊びに来る場所ではないからな。
まず穴の大きさを測定しよう。
円形になっているから直径でいいだろう。
俺の持っているメジャーは、小中学校の運動会で距離を測ったりする布製の大きなヤツだ。
何故、俺の家にあるのかは差し支えがあるので黙秘させて頂く。
俺はメジャーを持って穴の空いている所に行った。
何かが爆発した跡かも知れないから、近付くのは危険だ。
だが通報する為には、それを調べておく必要がある。
俺は、命を投げ出す覚悟を決めた。
俺は慎重に近付いた。
そしてメジャーを伸ばして足元の穴の端に置いた。
その状態で俺は、メジャーを持って反対側に移動した。
ダメだ、布製のメジャーは垂れ下がって穴に落ちてしまう。
先端部分を掴んでてくれる人間が必要だが、人が通る所ではないだけに、通報先を決めるよりも難しいことだ。
そうだ、来ない人などアテにせず、先端部分を何かで固定しておけばいいのだ。
そう言えば、俺の家には5寸の瓦釘がある。
5寸と言うとだいたい15cmだ。
何故そんなものが俺の家にあるのかは言えない。
この場合は企業秘密だ。
俺は急いで瓦釘を取って来て、メジャーの先端を地面に固定した。
それで反対側に周った。
直径は3メートルほどだ。
直径が分かれば周囲の長さが分かる。
円周率を掛ければいいだけだからな。
あぁ、何と言うことだ。
物事はいつだって、必要な時に十分な要素が揃わないものなんだ。
カレーを作り出したら玉ねぎが無いことに気づいたり、焼きそばを作り始めたらソースが無かったり…。
だから焼きそばはソース付きのを買えってそう言っただろ!
いけない…、俺は独り者だった。
話しを元に戻そう。
今回は何が足りないといって、円周率が出て来ないことに他ならない。
メジャーもあって、5寸の瓦釘もあったのに…。
いや、πであることは分かっているよ。
つまり3πだ。
3πと言っても、靖国神社にお参りする訳ではない。
つまり、俺はπが幾つだったかを思い出せなくなっただけなのだ。
物理の試験なら3πで正解だが、この場合は実数でないと意味がない。
思わぬところで時間が掛かっている。
予期していなかっただけに、凄くうろたえている。
通報先が分からないだけでもストレスなのに、通報内容すらまとめられないなんて、最悪の日だ。
日本のシステムを見直した方がいい。
もっと簡単にすべきなんだ。
「もしもし、穴が空いていて危険ですよ。」
「はい、分かりました。直ぐに対応します。」
これだろう、やっぱ。
このスピード感こそが、日本に富をもたらしたものに違いない。
それを「もしもし市役所の環境保全課ですか?」
「はいそうです。」
「ここに夕べから穴が空いていて危険なんですが、何とかなりませんか?」
「あぁ、そこは私有地で市役所の管轄外です。」
「えっ、何で? 何で市有地なのに市役所が関係ないの?」
「私は私有地だから管轄外と言ったのです。」
「だからさぁ、市有地は市の土地なんだろ? 何で関係ないんだよ。」
あぁ、考えただけでもややこしい。
もう測量は止めよう。
πが分からなければ意味がない。
そのかわり、穴の中に何があるのかを調べてみよう。
いいところに気付いただろ?
物事には解決の糸口が必ずある。
危険なことは分かっているが、俺は命を投げ出した男だ。
怯んでなんかいられない。
ジャ~ン!
どうだ格好いい感じか?
…だろ?
俺は恐る恐る、穴の中を覗いた。
真っ暗でよく見えなかった。
俺は炭坑夫が使うライトが付いたヘルメットを持ってきた。
何でそんなモノが俺の家にあるのかは言えない。
自分でも分からないからだ。
俺はライトを点灯し、穴の中を覗いた。
中は暗くなっていて光が届かないようだ。
いや、光が吸い込まれているのかも知れない。
石でも投げ入れてみようか?
俺はちょっとした小石を投げ入れてみた。
ポチャンとかカ~ンとか何らかの音が聞こえるものと思っていたが、全く無音だった。
果てしなくず~っと落ちているようだ。
これはどこまで続いてるんだろう?
俺は好奇心の旺盛な方ではない。
ただの男だ。
だけど著しく興味を惹かれる存在が目の前に現れたら、ムクムクと好奇心がアタマをもたげて来るものなんだな、人間って。
その好奇心が成功の原動力なんだ。
決して学生時代の成績じゃないんだ。
俺は学生時代の自分の弁護をした。
今頃、弁護しても何の意味もないけどな。
俺は無性にこの穴の正体を突きとめたくなった。
俺は、火事の時にマンションから避難出来るように用意していたオリロー梯子を持って来た。
これは秘密でも何でもなく、俺が買ったモノだ。
俺はマンションの5階に住んでいる。
俺は高い所と低い所が怖いのだ。
5階くらいが丁度いい。
俺は、オリロー梯子の両サイドを固定し下の部分を穴の中に垂らした。
低いところが人一倍怖いくせに、何故俺は、この穴にこんなに拘るのだろう?
俺の心にポッカリと空いた大きな穴。
俺は意を決して、俺の心に空いた大きな穴の中に入って行った。
By やや半次郎
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日の丸を掲げ、英霊に感謝し、粛々と行進します。
<靖國神社昇殿参拝>・・・希望者のみ、当日参集殿前にお集まり下さい。
13:00 集合 (場所)靖國神社参集殿
13:30 昇殿参拝 (参拝料:¥1000)
<国民行進>
15:00 集合 (場所)錦華公園・・・お手伝い戴ける方、14:00までにご参集下さい。
(千代田区猿楽町1-1-2、御茶ノ水橋口・神保町駅A5出口より徒歩5分)
15:30 出発 錦華公園⇒俎板(まないた)橋児童遊園(16:15頃到着)
(東京都千代田区九段北1-1-1「九段下」駅下車徒歩3分)
私たちは、何よりも8月15日の靖國神社の内外を静寂と厳粛な環境で 日本国民に参拝して戴きたいと願っています。怒声や罵声を飛び交わせたりする行為やシュプレッヒコールは、原則として行いません。 基本的に 無言で国旗を掲げ、「海ゆかば」の斉唱は行います。
主催者の指示に従い 誇りある日本人として 勇気と自制ある行動をとって戴けるようお願いします。
【主 催】 頑張れ日本!全国行動委員会・チャンネル桜二千人委員会有志の会
【問合先】頑張れ日本!全国行動委員会
電話:03-5468-9222,info@ganbare-nippon.net
くわしくは、「頑張れ日本」および「チャンネル桜」公式サイトをごらんください。