仏塔の撮影を続けている間に色んなことを学びました。仏塔には見所といえるものが多数あることです。仏塔に対する知識が増えるにしたがって、細部の個性に気づくことができるようになったのです。伝統建築の様式の中に新たに加えられていった職人技というべき装飾もその一つです。力士の像がいつ頃から加えられるようになったのか、五重塔や三重塔のような古い様式を伝える仏塔にも、時代が下ると細部に装飾が見られるようになって来ます。大きな力士像がぶら下がっているのかと思えるほど目立っていたのが、但馬の養父市の名草神社三重塔です。淡路の千光寺にある三重塔でも力士像が軒裏を支えていました。国宝の本堂で知られる太山寺にある三重塔にも、力士なのか邪鬼なのか、軒裏に似たような像があります。名草神社の塔は室町時代に出雲大社に建立されたものが、江戸時代に移されたものです。他の二つの塔は江戸時代の建立であることが知られています。軒裏に力士像のようなものが加わるのは江戸時代の特徴なのでしょうか。
30秒の心象風景23992・楼門の力士~伊佐爾波神社~
https://youtu.be/DHwsiWJu6T0
30秒の心象風景23992・楼門の力士~伊佐爾波神社~
https://youtu.be/DHwsiWJu6T0