一畑薬師を訪れた。ローカル鉄道の名前にもなっている一畑とは前から気になっていた。趣味で仏教建築や仏教美術に興味を持ってから、仏教そのものについての知識も増えてきた。しかし、現在、禅宗の一宗派の本山となっている一畑寺(通称では一畑薬師として知られる)がなぜ、こんなに信仰を集めるのか、不思議だった。江戸時代以前であれば、訪れるにはたいへんな苦労があったであろう山奥の寺院である。寺に伝わる縁起では「平安時代の寛平6年(894)、日本海岸に与市という漁師がいた。盲目の母親と二人暮らしであった与市は、ある日海から金色に輝く薬師如来を引き上げた。夢で薬師如来のお告げを受けた与市は、母親の眼病を治すために千把の藁を身にまとって近くの崖から飛び降りた。千把の藁はバラバラになったが、与市は大きな石の上に安座しており、怪我一つなかった。そして我が子の身を案じて無我夢中で走り駆け寄った母親の目は、しっかりと開いていた。その後与市はこの地にお堂を建て薬師如来をご本尊としておまつりし、自らは比叡山に上り出家をして名を補然と改めた。そのことから一畑薬師は『目のお薬師さま』といわれるようになったという。」
30秒の心象風景2043・信仰への誘い~一畑薬師~
http://youtu.be/_g76mV0OR7M
30秒の心象風景2043・信仰への誘い~一畑薬師~
http://youtu.be/_g76mV0OR7M