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父が『永遠のおでかけ』にいって
もう、15年以上経つというのに
父の写真を見ると泣ける
ビデオは、思い出が蘇り過ぎて
父の不在が哀しくて、淋しくて
いまだに、見ることができないでいる。
おとーさんは
とても仕事熱心なひとでした。
趣味のひとつももたず、
本業を終えて、帰宅しても
家にあがらず、玄関たたきで立ったまま
軽く食事をすませ、アルバイトに出かけていた。
遅く戻って、一杯ひっかけ夕食をとったら
居間に有った押し入れの上段を
自分の寝床にしていて
そこに入って、休んでいたっけ。
ゆっくり自分の時間をもつことなく
必死で働いていてくれていた。
「金はなんぼでもある、心配すんな」
と、常に言ってくれていた。
なので、実際、
うちが貧乏と思ったことはなかった。
思わせないようにしていたんだね。
当時、父は36歳だったんだと思うと
*私が7歳のとき母が家出したので
私と妹は父方の祖母に
弟は伯母夫婦に育てられました
13歳からまた父と暮らせるように
どれだけ苦労させていたんだと
今更ながら、もっと親孝行すればよかった
と、後悔もあったりする、
いなくなってしみじみ感じる
親の有難さ。
このエッセイを読んでから
父との思い出を
ひとつひとつ、
よみがえらせています。