八障連ブログ

八障連(八王子障害者団体連絡協議会)運営委員会より、情報提供を行っています。(「八障連について」カテゴリーを参照)

コラム『日々のなかから、、、』(9)

2014年04月04日 | コラム
三月末のこと。私が普段通所している《第一若駒の家》の仲間と日頃交流のある学生ボランティアさんと共にお台場の日本科学未来館(館長は宇宙飛行士の毛利衛さん) に見学に行ってきました。本当はドームシアター(球形シアター。全周を覆う3D映像を使用した立体視プラネタリウム)が見たくて行ったのですが、上映時間のタイミングが合わず、かつ八王子との往復移動時間も考慮して断念。替わりに、ホンダが開発した。二足歩行ロボット、ASIMO(アシモ)のショーを見てきました。ロボットの着ぐるみの中に池乃めだか (吉本のちっさいおっさん)でも入っているのかと思うほど、元気にクリクリ動いてました。年配の方にはアトムや鉄人、少し下ってマジンガーZ、私の世代ならガンダムという事になるでしょうか。いずれにしろ《ロボット》という単語は男性の胸の奥にある少年の心を刺激してくれるキーワードでしょう。付き添ってくれたボランティアさんについつい熱く語ってしまいました。
けっこう感動したので後日いろいろと調べてみると、《歩行とは、脚の運動による移動方法の一種。体重のかかる軸脚、振り上げている遊脚。2本の脚を交互に軸足にして重心を任意の方向に移動する》のだとか。一歳未満の赤ちゃんや寝たきりのお年寄り、重度の肢体不自由者を除く大多数の人が当たり前に行う運動。自分にはけして出来ない事だからこそ強いロマンを感じます
とはいえ、歩くことの出来ない自分を恥じたり悔やんだりするわけでもないのです。
私が《歩行》に感じるロマンは、翼やエラを持たない人間が、空や水中を自由に移動する鳥や魚に憧れる気持ちに近いかもしれません
調べたところ歩行の形態には静歩行と動歩行があります。二本足で歩く際に「足を接地して荷重してから全体の重心を移動する」場合を静歩行といい、また「足を進行方向に移動させると同時に全体の重心を移動する」場合を動歩行というのだそうです。
静歩行は安定しているのでどこで停止しても転倒することありませんが、床面が常に平面でなければならない制約があり、動歩行は前方の足が宙に浮いている間は後方の接地している足だけでは全体を支えられないため、石に躓いたりして予想外の事態が発生すると転倒してしまいます。
人間などが行う歩行も基本は動歩行なので二足歩行ロボットの研究も動歩行が主になっています。制御は難しいもののでこぼこ道など条件の悪い環境にも対応できるという利点があるからです。
動歩行の実現には、「足が接地する瞬間」に如何に荷重されるかを常に予測し続け、加速度や床からの反力などといった状況も的確に収集・判断し、対応制御する高い技術が必要なのです。こんな難しいことをほとんど無意識のうちに軽々とやってのける健常の人はすごいなと思います。変に思われるかもしれませんが、生まれてから一度も歩いたことのないわが身だからこそ、逆に二本の脚で歩く偉大さ、すばらしさがしみじみ分かる気がします。
空も飛べない、水の潜れないない人間が飛行機や潜水艦を造ったように、ロボット研究を通していつか私の歩行も補ってくれる機械ができないかと期待しています。たしかに車イスの生活も悪くないですが、《歩行》の代用としてはまだまだ不完全な面が目立ちます。願わくば、いつかステキな女性と出会ったとき、同じ目線で移動し語り合いたいものですね。男としての夢です。

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