みてきました。
みてきました。
見てきました。
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
※ネタバレ注意
「振り向くな」って感じ。
あまりにも切れ味が鋭すぎて、後から指摘されないと何もされてないのと変わらない、というかね。
いや、何がいいたいかっていうと「騙しの部分が『うわっ騙された!』ってならずに、ただの物語の『転』でしかなかった」っていう印象でした。
タイトルやあらすじの時点で「騙しあい」が繰り広げられるんだろうって思ってたけど、「騙し」のフックになる部分の描写が薄い気がして、結果、何か意外な展開が起きたときに「実はだましてましたー!」って後出しされてるだけな感じがしちゃいました。
「騙し」ってことは、「Aと見せておきながら実はBである」っていうことですよね?
で、この「騙し」を題材にするなら「A」を見せつつ「B」も見せて(もしくは匂わせて)話を進めていかないと、見ている側としては「A」に対しての可能性を想像する余地、つまり「A」が「Aではない何か」ではないかという疑いを持つことが難しいのではないかと思ったんです。
なので、さっきの「騙し」のフックとかいう勝手に作った言葉ですが、ここでいう「実はBである」っていう描写が今作では薄かったような印象があったんですね。
まあ自分が気にしてなさすぎか、見落としている可能性は十二分にあり得ますが、よくある「衝撃のラスト」とか「大どんでん返し」みたいなものと同類になってる気がしました。
ただ、その「騙し」っていう部分を気にしなければ、出版エンタメ作品としては普通に楽しめました。
「廃刊の危機を救うために奇想天外な一撃をしかける!」的な?
何をされても飄々としてのらりくらりと難局を乗り越えてきた速水が、高野の一手に悔恨の思いを露にするあのワンシーン好きです。
あと、薫風社をガラリと変えようとしていた東松の構想していた「KIBA」が、「もともとここから始まった」と言わんばかりに社長の座に刻まれていたのが一番鳥肌でした。そしてそれは継承されていく、というところも。
なんだかハードルを高めにしてしまった結果、そうでもなかったな、っていう印象になってしまったけど、面白かったしキャスト的にも見応えのある作品でした。