平方録

大寒 22分も日が伸びた

今日20日は大寒。一年で最も寒さの厳しいころである。
寒さはこれから底を迎えるのだが、地中では春への準備がこの時期から本格化して行く。
寒が過ぎれば、もう「立春」である。
春はいよいよ手を伸ばせば届くところまで近づいてきた。

毎年、12月という月は鎌倉や横浜では暖かくてコートも必要無いくらいなのだが、今冬に限っては12月の声を聞いた途端に寒くなり、これが関東かと思えるような気温の低い日が続いている。
随分長いこと冬と付き合っている感じである。そして最後のヤマ場である。
なあに、ここまで来ればもうちょっとの辛抱である。大寒さえ過ぎてしまえば…

嬉しくなって大寒と冬至の日の長さなどを比較してみた。

12.23 冬至 日の出06:49 日の入り16:32 日の長さ 9時間43分 南中高度31.2度
 1.20 大寒 日の出06:50 日の入り16:55 日の長さ10時間05分 南中高度34.5度

日の出の時間にさしたる変化はないものの、日没の時間は23分も遅くなっている。昼間の長さは22分も延びているんである。
真横から差し込んで来ていた陽の光も、少しばかりだが高度を上げ始めている。
ロシア語由来の「光の春」という、なかなかしゃれた言葉がある。その「光の春」を感じさせるような、多分気のせいもあると思うが、光に力強さと云うか、輝きが増してきたようにも感じられるから不思議である。
俳句の世界には「春隣」という季語がある。冬の季語だが、春はすぐそこまで来ているという、とても期待値の高い心持を表わしている。日本人の瑞々しい感性が生み出した季語である。
トンネルの出口は、まだ点のようなものかもしれないが光が見えてきているのだ。この光はこれからどんどん大きくなっていく。

昨年末にせん定作業を終わらせたわが家のつるバラと木立性のバラをよく観察してみると、緑色をしたつるの先に赤っぽい芽がいくつも膨らみかけてきているのが分かる。
春先に新たに伸びるシュートや葉っぱになるはずの芽である。

種から育ててきたパンジーは寒さに負けずに咲いているし、同じく種からのネモフィラやワスレナグサなども、寒さにじっと耐えている。
庭とプランターに埋め込んだチューリップはだいぶ芽をのぞかせているし、アネモネも気の早いものが芽を出し始めている。
浮き立つ春はもうすぐである。

さて今日はこれから、ちょっと調べ物をするため、米沢に出かけてくる。寒そうだなぁ。



大寒の日、山形から届いた啓翁桜は満開になった。
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