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平方録

ゴシュウショウサマ

大掃除をしてさっぱりした気分で正月を迎えよう――なんて几帳面かつ殊勝な考えの持ち主ではないのだが、それでもやっぱり机の上が雑然としている上にゴミ溜めのような〝惨状〟を見るにつけ、さすがに少しきれいに整頓しようかという気持ちになった。

考えてみると年に4回くらい「片づけなくちゃな」という気になっている気がする。
何故ゴミ溜め化するのかと言えば、届いた郵便物の類やら書棚から引っ張り出した本や空っぽになったペットボトル、ポケットから取り出したもの、買い物した後のレシートの類…などなどをきちんと始末しないからということに尽きる。
何れにしたって、所定の位置が決まっているものや、不要になれば捨てればいいだけのものが、そのまま放置されているからに他ならない。

それが春夏秋冬の季節の変わり目頃になると、自ずと気分も改まるからだろうか、なんとなく整理整頓の4文字がちらつくようになるらしい。
届いた郵便物はすぐに処理する、本棚から出した本はすぐ戻す、ゴミの類はさっさと捨てる――改めて文字化してみればどぉってことも無いことだということに気付く。
いっそのことゴミ屋敷と呼ばれるくらい徹底してゴミまみれになったらどうなんだ…という悪魔のささやきも聞こえているような気もするが、実際にはそんな度胸も無いのだから何をかいわんや、所詮は周りを気にする小心者に過ぎない。

で、一応きれいになったな、と自賛する2か所の机のうち、毎朝ブログを書くパソコンが置いてある比較的大きなテーブルの上を見てみよう。
デスクトップのパソコンのすぐ右わきにスペースレンジャーのバズとバズに管理を任せているウイスキーの瓶(もちろん中身入り)と円覚寺の横田南嶺管長の揮毫の入った卓上カレンダー、そしてパソコンのすぐ前、キーボードとの間にUSBメモリーを内蔵した身長7cmほどのガンダム、姫が幼稚園の時にボクに折ってくれた真っ赤な折りヅル、そして長女が北海道から買ってきた体長4cm足らずのヒグマの彫り物の小者3点セット。
さらにパソコンの左わきには孫の写真と卓上のデジタル時計、さらには水を入れたマグカップと中身の入ったペットボトル、ティッシュペーパーの箱、サッとメモ書きできるように反故紙を適当な大きさに切りそろえてクリップで止めたメモ帳とペン2本が転がり、さらにはipadとiphone、そして、たまにとても小さな文字を読む時に使うう老眼鏡。
まだある…気付け薬用の小さなショットグラス、しまい忘れたゴーヤのタネ一粒、ミント菓子のケース。そしてマウスとマウスパッドを忘れていた。

机のわきのサイドテーブルに目を転ずれば10冊くらいの読みかけの本とクリアケースに入れた新聞の切り抜き(パソコンから印刷)などの資料の類。こちらはまだ昨日の今日で整然と積まれている。

…とまあ、書き連ねて見ると自分でも呆れるほどにモノが散らばっている。
分かってはいるのだ。
整理したとはいえ、こうやって依然として雑然とものが置かれているのだから、のど元過ぎれば何とやら以前に、別のものをヒョイと置いたが最後〝飛んで火に入る夏の虫〟で3か月後の「片づけなくちゃな衝動」が現れるまで、その場にとどまることになる。
何のことはない。片づけをしたと思ったらゴミ溜めを作るその最初の一歩を印し、最初のページを開いたのが昨日だったというだけの話じゃないか。
ゴシュウショウサマ…ってヤツだな。







バラ園の園路もすっかり初冬の光景に代わった(横浜イングリッシュガーデン)



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