平方録

花咲じじい

パンジーのタネを蒔いた。

芽を出させるのに適した地表の適温は20度前後なのだが、それでは10月にならないと蒔けない。
だからこの時期に蒔くにはそれなりの工夫と管理が必要である。
第一に、いかに涼しい環境を作り出すか。二つ目は蒔いた土の表面を乾かさないこと。三つ目は愛情。ビタミンIを撒く手もある。
種を発芽させるには、ピートバンというものを用いるのが手っ取り早い。園芸店には必ず置いてある。これを水に浸して膨らませ種を蒔く。パンジーの場合はだいたい10日から2週間で発芽する。

涼しい環境、といっても真夏だから直射日光が当たるところの地表温度は40度を超えるだろう。ここ十数年続けているのだが、2階のベランダの風通しの良いところにデッキチェアを折りたたんで屋根を作り、その屋根の下に置いている。デッキチェアには足があるから、東南アジアに見られる住居のように、高床式である。さらに太陽の直射を和らげるために、寒冷紗というもので屋根を覆う。こうすると、さすがに20度は無理でも、風通しの良い屋根の下はそれなりに快適ではあるまいか。何せ高床式住居である。
こうして発芽させると、早いものは年末ごろから咲き始める。厳冬にも負けず、健気に咲いて楽しませてくれるのだ。それだけではない。厳しい環境で芽を出しているせいか、長持ちするのだ。五月の連休はおろか、水と肥料をきちんとやれば梅雨入りしても咲いてくれる。健康優良児の優等生である。

例年5、6種類育てるのだが、今年は2種類に限った。青に黄色が混じる「モルフォ」と何色が咲くか分からない(といっても青や紫が基調になった花が咲く)「江原ビオラ」。モルフォをたくさん咲かせると春の庭が華やぐ。勿忘草の青い小花や同じく青い花を咲かせるネモフィラと一緒に咲かせると一層華やぐ。今年は別な色のパンジーを多めに植えたら、きれいなのだが、一寸イメージが違った。よって原点回帰!

種の袋に書かれた能書きによると、モルフォは100株、江原ビオラは40株の苗が育つはずである。合わせて140株。我が家に必要な数は40株程度。残りは嫁入りさせることになっている。

花咲じじいを自認する身としてはワクワクする。何といっても芽を出してくれるまでが楽しい。


ピートバンに筋目をつけて種を蒔き覆土する。ピートバン3つに蒔いた


”高床式”の育種小屋。黒いものが寒冷紗。屋根になっているから雨も防げるすぐれもの
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事