前日は汗ばむような陽気だったが、一転して空気はひんやり。特に午後からは冷え込んできて、おまけに時々顔を見せていた太陽もすっかり隠れてしまって、身体の芯に寒さが忍び寄ってくる。
午前中2時間超、午後も切り良いところまで2時間半とか3時間。しかも寒風に身をさらしながら脚立の上で立ち続けの作業はそれなりにしんどいものがある。
若い連中は8時半から薄暗くなる4時ころまで作業をするが、年寄りのボランティアなので「時短」を許してもらっている。
それでもアルバイトで雇っている女性群が2人ひと組でやっている作業を、1人でやって、しかも仕上げるのは私の方が早いのだから“猫の手”の働きはそこそこに果たしているつもりである。
去年寒風に身を任せていてぎっくり腰になったのをガーデナー諸君は覚えていて「無理しないでください」と気を遣ってくれるのである。
そんなわけで、この日はいつもより早い午後4時過ぎには地元の駅に降り立ち、肉体労働の後のショーチューを呷るべく、駅前の雑踏に身を投げたのである。
3日前に満員だった立ち飲み屋はこの日も満員で、ふらふらと別の赤ちょうちんを探していると、これまで気付かなかった立ち飲み屋の看板が目に入り、躊躇なく入ってみる。
店に入った途端、若い女性3人くらいが、別の男性の酔客と大きな声でじゃれ合っていて、いささかたじろぐ。
しかも常連なのだろう、立ち飲み屋なのに椅子に座って「私はオカマなんかもってないわよ!」などと叫んでいるのだ。
キャッシュオンデリバリーは立ち飲み屋の常だが、この店は自動販売機方式である。
とにもかくにも、まず1杯飲まなくては始まらない。
ハイボールを飲もうとしてボタンを探していると、奥の方から私の名を呼び、手招きする御仁がいるではないか。
はて? こんなところで誰が? と思って顔を上げたら、何と行きつけの焼鳥屋のおやじである。
皮膚科に来て店を開けるまで少々間があるので、立ち寄って引っ掛けているところだという。
「私は薩摩の出身だから芋焼酎しか飲まないけれど、ここにくると泡盛なんですよ」とグラスに並々と注がれた泡盛のロックを指さして「もう4杯目」。すっかりご機嫌である。
ハイボールはビールの小ジョッキ程度の大人しいグラスで登場するが、「おごりましょう」といって差し入れてくれたのが、何と大ジョッキに入った「メガサイズ」。お腹がタポンタポンになってしまった。
開店時間は5時半だというのに5時過ぎまで一緒に飲んで、「お先に」といって店を出て行ったが、あれで午前2時過ぎまで店を開いているというからタフなものである。
カウンターの中で客の注文をさばいていた「ちかちゃん、ちかちゃん」と呼ばれていた女性は40歳前後の、アラン・ドロンのかみさんだったロミ・シュナイダーを日本人にしたらこうなるというような、ほっそりとした美人である。
かつて東ドイツのベルリンに足を踏み入れた際、薄暗い街に開いている店もなく、仕方なくホテルのレストラン兼バーに入ってビールを飲んだ時のカウンター内の女性がロミ・シュナイダーそっくりで、思わず生唾を飲み込むような美人だった。
わが街にも“ロミちゃん”がいたんである。
横浜イングリッシュガーデンの柿。1個もぎとってかじってみたが、熟した中心部分こそ甘かったが、それ以外は渋くてとても食べられたものではない。観賞用である。
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