祭のクライマックスは江ノ島の八坂神社の神輿が海を渡り、浜で出迎える腰越の小動神社の神輿とともに小動神社に詣でるもので、江ノ島側と腰越側でそれぞれの神輿が海に入って揉み合うところは海辺の夏祭りの面目躍如といってよい。
江ノ島の神輿が船に乗ってこちらに渡り終えると、2基の神輿は江ノ電の電車が走る道路を揉みあいながら小動神社まで移動するのである。
この日ばかりは江ノ電もそろそろこわごわゆっくりした速度で遠慮がちに通って行く。
このほかに各町内会が出す山車に義経や弁慶、頼朝などの等身大はあるかと思われる堂々たる人形が江ノ電の架線すれすれの高さままで飾られ、お囃子とともに練り歩いたりする。
昔は山車が通り過ぎる間、江ノ電の架線の方を外していたそうだが、電車の本数が格段に増えた今ではそんな牧歌的なことが出来るわけもない。山車の方が縮んだらしい。
生憎この日は宵祭りで、神輿の渡御は12日の日曜日だったのは残念だが、雰囲気だけ味わってきた。
宵祭りに渡ってきて、1泊してから翌日帰って行けばいいのにと思うが、そうもいかないらしい。神様はよそで外泊したりしないのだろうか。
一方で、地元の人に聞いたら、このままだと波が高くて海に入って揉むことはできるが、船での渡御が出来るかどうか心配だという。
そういう場合はどうするのだろう。トラックか何かに乗せられて橋を渡ってくるのだろうか。聞きもらした。
江ノ島に渡る弁天橋のたもとから江ノ島の岩屋に向かう渡し船があるが、この船が神輿渡御に使われるため、化粧を施したりする準備のためだろうか、欠航になっていた。飾り付けは大事なことである。というか、年に一度の祭りに船頭だってどちらかの神社の氏子に違いないから、仕事なんかしていられないんだろう。
江ノ島の裏側の岩棚にでも行ってみようと思い、行って見て合点が行った。確かに波が荒い。
普段は観光客や地元の釣り人で大賑わいの広々とした岩場は絶えず波が洗うばかりで、人影はどこにも見えない。
確かにこれでは重たい神輿を船に乗せて海を渡るには不安定すぎて危険かもしれない。海に落としでもしたら一大事である。
台風の余波だから仕方ない。
1964年の東京オリンピックのヨット会場になった江ノ島は2020年のオリンピックでもヨット会場として使われることが正式に決まったが、64年に完成して以来使われてきた建物は老朽化で取り壊され、更地になっていた。
妻の父親も空調設備の設計に携わった、記念切手などにも図案化された斬新でシンボル的な建物だっただけに惜しい気もするが、国立競技場も取り壊される時代である。
ヨットハーバーの一角にあるカフェでビールを飲みながらピザを頬張っていたところ、サイレンを鳴らして消防の救助工作車が3台も駆けつけてきた。
マストをかき分けて中に入り込んでいったので、何事かと思ったら、1台の工作車が大型の水上バイクを引っ張っている。
沖で練習しているヨットに何かトラブルが起きたのだろう。2人の隊員が乗った水上バイクはサイレンを鳴らしながら大急ぎで海に出て行ったが、岸壁の巡視艇などは動く様子もなかったから、遭難や捜索じゃあないんだろうと思う。
3台も救助工作車が駆けつけてきて、実際に現場に向かったのは2人だけ。どうなっちゃってるんだろう。
それにしても海風の心地よい、ギラギラ太陽の降り注ぐ夏らしい天気でありました。このまま梅雨明けしてもらって一向に差し支えないんだけどなぁ。
小動岬の小動神社奥から見る江ノ島
江ノ島島内の露地では小さな山車の飾りつけ作業が
江ノ島の裏側の岩棚を絶えず洗う波
ヨットのマストをかき分けながら走る救助工作車
それっ!と救助隊員2人が乗った水上バイクが出ていく
海上保安庁の巡視艇は何事もないかのように知らん顔
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