平方録

破滅へのシナリオ

九州の阿蘇が噴火した。
関東東北の水害に続いて日本列島は騒がしい。
NHKなんぞは、ここぞとばかりに通常の番組を吹っ飛ばして、現場から中継したり、噴火のニュースばかり繰り返している。
これはこれで、人命にもかかわってくることだから大切なのだが、全国的に見れば地域限定の感無きにしも非ずである。

今の国会には「戦争法案」という憲法違反も指摘される法律案が、国民の半数以上が反対したり、成立に首を傾げているにも関わらず審議中で、今月27日の会期末をにらんで、最終局面に至ろうとしている。
日本にとっては災害はもちろんだが、将来を考えると「戦争法案」の行方は無視できないものがある。
現実に災害が起こっているとはいえ、この重要ニュースが取り上げられる時間が減っているのは事実で、国民の不満がさらに高まらないうちに採決してしまいたい政府与党にとっては、さぞや“神風”のように思えているにちがいない。

「戦争法案」に集中せず、国民の注意が他のところに向いてくれることに、しめしめ、と舌なめずりしているアベなんちゃらと取り巻き連中の姿が目に浮かぶようで、何ともおぞましい。
武力行使を伴う行為を認める法律、それも海外にまで出かけて行って武力を行使しても構わないという、憲法9条が禁じていながら、それを無視する法律が出来上がってしまう。

自然災害のような人知の及ばざるものに囲まれ、現に脅かされている日本。その対処方策だって十分に練られているとは言い難い。そこへ持ってきて、禁じられていることに首を突っ込んでいくことを可能にしようとする愚かさ。まるで破滅へのシナリオを準備しているようなものじゃないか。
これから日本は多事多難な、それも相当な人的被害と経済的被害をこうむり、立ちあがるのに相当時間のかかる、場合によっては立ち直ることも不可能なような事態に見舞われるかもしれない。

2011年の東日本大震災が発生した直後、富士山の麓の富士宮市で震度5だか6だかの強い地震が発生した時、火山学者は瞬間的に「来るべきものが来た」と思い、緊張したんだという。
海溝型の地震が発生した場合、それに続くプレート上にある火山が活動を活発化させることは、なんら根拠のないものではなく、十分にあり得ることなのだという。
ゆえに、日本海溝が動き、それに接するプレート上の富士山の蓋が開いてしまうこともあり得たのである。火山学者たちが「すわっ!」と腰を浮かしかけたのも道理なのである。

気象庁のホームページにある火山の「噴火警報・予報」欄をのぞくと、警戒レベル3の阿蘇につづいて住民の全島避難が続いている口永良部島、そして活動が収まりかけた桜島、西之島、箱根山、雌阿寒岳、御嶽山、浅間山、吾妻山、草津白根山、霧島山、諏訪之瀬島、硫黄島、福徳岡ノ場の14もの火山に噴火警報が出されている。
2、3日前には首都直下型地震の震源地と想定されている東京湾の、それも川崎と羽田のすぐ近くを震源とする地震があったばかりである。

東南海地震、東海地震、そして関東地方…。警戒が必要な大地震は迫っている。
「マッデン・ジュリアン振動」とか「ダイポールモード現象」とか、最近は聞いたこともない気象理論も登場しているが、何のことは無い、超大型台風の襲来など、昨今の気象の過激化の説明に使われているのだが、大水害をもたらした雨も、異常な気象配置によってもたらされたのは明白である。

あちこちでノロシが上がる火山、揺れる大地、荒れ狂う超大型台風、激しく降り続く長雨…
日本は世界でもまれな自然災害の国である。
台風や長雨を除けば予知は困難だ。これから先、どんな被害が待ち受けていることか。

周辺事態だとか緊急事態だとか、わけのわからない机上の屁理屈がチャンチャラあきれるぜ!
水害での人命救助を見たろう? 冗談抜きに、これからは自衛隊を海外に派遣する余裕などなくなるぜ。
それとも日本を空っぽにして、国民を見捨てようってのか。くわばらくわばらでんなぁ。






久しぶりの横浜イングリッシュガーデン。黄色のカンナ、珍しく濃い赤のサルスベリ、涼しげな色合いのムクゲ


8月下旬から9月にかけて行われた秋バラを美しく咲かせるためのせん定作業を終えて、静かに蕾製造準備中のバラ群。3年経って随分性が高くなってしまい、これ以上伸ばすと人の背丈を超えたところに花がついてしまう。冬の大せん定では現在の背丈の半分以下にする思い切った切り戻しが必要になってきそうである。
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