Plain living and high thinking (ウイリアム・ワーズワース)
低処高思 (岩波茂雄)
Plain…は「ロンドン1802年(1)」と題する詩の一節。原文ではthinking の後に are no more が付く。
低処高思はPlain…の岩波の訳。「低く暮らし高く想う」とし、自らの生き方と岩波書店の経営の柱に据えて貫いた。
簡素な暮らしを送りながら高い思想を掲げて生きていく、というのは家族の協力も必要で、一人では難しい。かみさんにも理解してもらおう。
以下はワーズワースのロンドン1802年(1)の全文和訳
おお友よ、慰めはどこにあるのだ
ぼくには分からぬ。思えば心は重くなるばかり
人びとは、ただ見せるための虚飾をまとって
生きている。職人、料理番、馬丁の
とるにたりないその日仕事。僕らは小川のように白日の光をうけて輝きながら走っていかねばならぬ。
でなければ祝福もない。
いまも最も富を蓄えたものが最善の者とされ自然や書物のもたらすすばらしさが
人を喜ばせることはない。略奪と強欲と浪費
これらを人は偶像のように崇めている。
簡素な生活と高い思想はもうなくなってしまった。
つつましくも古きよき大義の美風は消え去った
祖国の平和も畏れにみちたあどけなさも
家庭に息づき生活を律していた純なる信仰も。
200年前の作品とはとても思えない。
台風11号が午前中に四国に上陸し、日本海に抜けそうだ。鎌倉も時折強い雨が大きな音をたてて降ってくる。
伽羅奢と籠口 (6月の庭から)
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