魑魅魍魎たちめ！

しかし、特別防衛監察ってのがかくもひどいものだとは知らなかった。

考えてみれば、監察をしなさいと命令を下した人物を調べることになるとは思ってもいなかったんだろうが、それにしたって、事の発端を考慮すれば命令を下した人物も当然のことながら当事者の一人と言ってよいのだから、公平公正な監察が行われるためには、あらゆる当事者から話を聞かなければいけなかったはずである。
それが、監察命令を下した張本人をも調べざるを得なくなったのは、調べに正直に答えていた部下たちがトカゲのしっぽのように切られることが分かって、何だよ！俺たちだけに責任をかぶせようというのか！と激怒したためである。

張本人とは防衛省の女大臣のことだが、世論に押されて渋々調べた結果は「（問題となっている日報データ隠ぺいの）方針決定や了承はなかった」だった。
部下は「報告しました」とはっきり言っていて、しかも日報の扱いを大臣に説明する会議も開かれ、それについて監察結果は「（その会議の場で）何らかの発言があった可能性は否定できない」とまで言いながら「大臣にきちんと説明されたという事実は確認できなかった」というのだから、おそらくは「報告した」「いや、聞いてない」と双方の言い分が真っ向から食い違ったんだろうが、1対1ではなく、複数の関係者が同席していたのだから、どっちなのかはすぐにわかるだろうに。

こんなことで国民の生命財産を守り切れるのかどうか、まったくもって心もとないのだが、陸自の最高指揮官の幕僚長は怒り心頭に発して辞表をたたきつけたんだろう。
引きずられるように事務次官が辞意を漏らし、震源地の女大臣もようやく事の重大さに気づいたのか、辞めることにしたようである。
ここまでこじらせるような案件じゃないだろうに。ことはシビリアンコントロールの根幹にかかわる大問題でもある。
右寄りの発言で国防の大切さを説いてきた女大臣の「国を守る」という意識とは、しょせんこんなものなのだ。
任命責任も口先だけじゃないはずである。

さて、同じ日に野党第一党の党首が辞任を発表した。
幹事長も既に辞めることを表明しているから、ナンバー１と２が交代することになる。
ニッチもサッチもいかなくなったらしい。これも当然のことである。
この２人がトップにいたことが、そもそもおかしいのだ。
特に幹事長のノダ。この人は必要もない解散をしてアベなんちゃらに塩を送った張本人であり、その結果、日本がどういうことになっているのかは一目瞭然である。
特定秘密法、戦争法、共謀罪……。挙句に憲法改正への前のめり姿勢。

すべてユダの裏切りから、もとい、ユダじゃなくてノダの裏切りから端を発しているノダ。
幹事長在任中だって、アベなんちゃらがあれほど支持を失っているのに、この野党第一党が有権者に相手にされないのはユダがいるからである。
あの顔、あの存在そのものが「裏切り」の象徴なんである。
看板を変えたってどこまで信頼を取り戻せるか、怪しいもんだが、せめて努力はしてもらわなければ。
何と言ってもアベなんちゃらのところに代わる受け皿だけは用意しておかなければならない。

こう眺めてくると、残ってる顔はあと一つですナ。これもさっさと替えて新しいページを開こうぜ。
総入れ替えで気分一新しなくっちゃ。

時にまだタワラ・ソーイチローなんていたんだね。
新聞によればアベなんちゃらから官邸に呼ばれ１時間話し込んできたそうだ。
「政治生命をかけて新たな『冒険』をしたら」と勧めたんだそうである。
「冒険」の中身については「そのうち分かるだろう。どうせ（政権は）長くは続かないだろうから」とはぐらかしたそうだが、意味が分からない。
タワラはアベなんちゃらには批判的なはずだぜ。それが呼ばれるんだから、アベなんちゃらは相当焦って血迷ってるってことかね。