戦争法という、憲法9条がありながらどうしてあんな法律の制定が可能なのか、今もって理解に苦しむが、法律の制定前に、従来の内閣が否定し続けてきた集団的自衛権行使容認をあっさりと閣議決定してしまったこと自体、クーデターなのだという憲法学者の指摘を耳にすれば、そうか、超法規的な事態が今の政権の手によって行われ、現行憲法が破棄されてしまったも同然なのだと考えるしかない。
民主主義国家だとばかり思ってきたが、とんでもない。ある日突然、独裁的な国家に変貌してしまったのである。
今のところ何の私権の制限も加えられていないから、国民の多くはそのことに気づいていないだけなのだ。
法律の制定過程で、大学生や高校生たちが立ちあがって反対の意思表示を叫び続けてきたのが目を引いたが、法の成立後も諦めることなく、戦争法の廃止に向けて活動を再開しているところが、素晴らしい。
大いなる希望と言ってよい。
さて、観艦式。東京湾を対列を作って進んだ海上自衛隊の艦船の中で、ひときわ目を引く巨体があったが、日本では「ヘリコプター搭載護衛艦」などというカテゴリーを設けているが、外国ではこれを航空母艦という名で呼んでいる。
れっきとした空母型のバトルシップなのである。
今年就役したばかりの「いずも」である。
基準排水量19500トン。全長248メートル。全幅38.0メートル。ヘリコプター14機の搭載が可能で、30ノットの高速で走ることが出来る。
ちなみに旧海軍の正規空母「飛龍」の基準排水量は17300トン。それをしのぐ大きさである。
専守防衛を掲げてきた国で、どうしてこんなフネが必要なのか、これまた理解に苦しむのである。
現状だって、垂直離着陸できる例えばオスプレイなどは十分離着艦可能だし、甲板を改造してカタパルトを取りつければ、通常の戦闘機の離着艦も可能になる。
つまり戦闘機を搭載することのできる攻撃空母にも変身可能なのだ。
去る8月には2番艦の「かが」が進水し、2年後に就役することになっている。
この型より一回り小ぶりの「ひゅうが」を見学したことがあるが、艦の腹の中から甲板までヘリを異動させる巨大なエレベーターや格納庫は空母そのものである。
見学者を乗せて登ったり降りたりのデモンストレーションをしていたが、動きは随分と滑らかだった。
こうしたフネが後方支援という名目で海外に出掛けて行って、相手に伝わるわけもない“積極的平和主義”とかいう独特の呪文を唱えながら、武力行使に加わるのである。おぞましいことだ。
望みもしない国になっていく。
わがアイアムソーリーにカミのゴカゴを!

ああ堂々の“日本海軍”最新鋭の「いずも」(海上自衛隊ホームページより)