快晴にして無風。
こういう気象条件なら、少しエクササイズをして来なければならない。
朝ご飯もそこそこに、ちょっと寒いかなと思いつつ、短パンで家を出る。
上半身はウインドブレーカーを着ているので、寒さは感じない。
むき出しの両足も寒さを感じるほどではない。
太陽が当たっていればそのぶん暖かいのである。
相模川河口まで片道18キロ。1時間弱。
銭湯の湯船の奥に描かれる定番の絵のような景色の中を行くコースは、車を気にする必要のない、まったくストレスを感じさせないコースである。
往復でも40キロ足らず。短い距離だが、それでもギアを重くして負荷をかけて走れば、そのぶんそこそこの運動になる。
前夜の強風で砂が動き、コースは砂にうずもれているんじゃないかと懸念したが、部分的に自転車が進まない個所はあるものの、概ね走行可能で安心した。
ただ、コース上はランナーが随分沢山走っていて、しかも、自転車も多いため、走りやすさの観点からは平日の方がずっと楽である。スピードも出せない。
海にも手ごろな波が立っていて、サーファーが大勢出ている。
ウエットスーツの威力は絶大のようだが、それでも手首足首と首から上は冷たいだろう。砂浜で日向ぼっこしている連中も目立つから、やはり冷たいんだと思う。
かくして、初冬の湘南海岸は、身体を動かそうとする若い人たちで季節を疑わせるようなにぎわいなのである。
身体の隅々までの毛細血管に十分酸素を行き渡らせ、たっぷりと太陽の光を浴びてくるということは、身体への充電と同義語で、欠かせないメンテナンスの一種である。
フル充電と言うわけでもないが、一週間くらいはこれで賄えそうである。
途中での燃料補給も楽しみの一つで、お気に入りの行きつけの店がいくつかあるのだが、この日は繁華街に戻り、あの札幌はすすき野の樹の名前を持つ名店にも匹敵するのでは、と思わせる札幌ラーメンの店に行き、塩バターラーメンを食べてきた。
これが実においしいのだ。630円。
店の前には十数人が並んでいたが、大人しく列に加わった。
カウンターでは一緒に並んでいた女子高生2人連れの隣に座ったが、彼女たちは牛乳ラーメンを注文して、ひと口スープをすすり「お~ぃしい!」と感嘆符付きの感想をもらしていたが、そう、牛乳ラーメンも美味しいのだ。
労働市場から撤退した人間は、こうした充電と“舌の口福”という、極ささやかな幸福感を得ては、ああ今日も良い一日ではないか、という平凡にして平穏極まりない日々を重ねているのである。
これから寒風を切り裂いて自転車で円覚寺まで走り、8時から1時間半、坐禅をしながら横田南嶺管長の「伝心法要」の提唱に耳を傾けてくるのである。
当たり前のように同じことを繰り返せるのもまた、ありがたいことと思わねばならない。
丘の上から眺めるより、波打ち際に降りてきて眺める富士の方がずっと素敵である。海が山を引き立てているのだ。
逆光に伊豆大島の島影が浮かぶ
最新の画像もっと見る
最近の「日記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事