明るい赤。それもピンクがかった赤と言った方が正確か。いや、むしろピンクに赤が混じったというべきか。
非常に印象的な花色で、そんじょそこらではなかなか見かけない色である。
秋バラの特徴で、蕾から開花までが実にゆっくりしていた。おそらくひと月近く蕾のままでいたのではなかろうか。
このまま開かないで冬になってしまうんじゃないか、とさえ思ったほどである。
この、じっくり、ゆっくりの特性が秋バラの魅力で、第一に初夏の花よりも1輪そのものが大きく育つのである。
加えて香りが一層際立つのも得難い特性のひとつである。
初めて見る花だから、大きいのかどうかはよく分からないが、なかなかどうして、バラらしい伝統的な形の咲き方で、好ましく思っている。
匂いを表現する形容詞の持ち合わせは我ながら貧弱で、どう表現したらいいのか、まったく見当もつかないから「いい匂い」「いい香り」としか言いようがないのが残念である。
匂いを嗅ぎわける能力は低いとは思わないのだが、肝心の表現方法が伴わないというのは、いささか情けない気もする。
というよりも、匂いに限らず、味も含めて、五感で感じられるものの表現についてはまったく自信がないのが正直なところで、テレビのレポーター役の若い女の子などが、珍しいもの、高級そうなものを口にしながら、したり顔であれこれ聞かされる説明など、ほんとかよ、とにわかには信じられないのだ。
小娘が何を言ってやがる、黙って美味しいと言ってにっこりほほ笑んだ方がよっぽど真実味があるぜ、と毒づきたくもなるのである。
ま、ともかく、甘くていい香り、ちょっと爽やかな感じもする、と言う程度の表現しかできないのだが、色と言い、香りと言い、良いバラを手に入れたものである。
地植えにするか鉢で育てるか、今のところ決めかねているが、いずれにしても来年の初夏が楽しみになってきた。
流鏑馬というと、鎌倉武士の勇壮な姿を思い浮かべるが、そぐわない名前をつけたものである。
名付け親は鎌倉武士のイメージから優雅さやきりりとした部分を感じ取ったのだろうか。だとすればモデルは実朝だろうか。
ブラッシングアイスバーグも2本増やしたし、独特の深い赤色の花を咲かせるバーガンディーアイスバーグも手に入れた。
ガーデナーズグローリーに変わってやはり黄色のサハラ、そしてマダムアルフレッドカリエールに変えてバレリーナの苗はインターネットで購入した。
間もなく植え替えするつもりだが、これらのつるバラも含めて、わが家の庭のバラはぐんと充実するはずである。
3本になるブラッシングアイスバーグはまとめて植えるつもりで、こんもりした株に育って初夏と秋の2回、こぼれるばかりに花がつくさまを想像するだけで楽しい。
今年もそうしたのだが、農薬は黒点病予防に有機物質から抽出した人体には無害とされる薬を使った以外、ほとんど使っていない。
したがって葉っぱなど、しばしばかじられて困ったなと思うことが何度かあったが、その都度注意深く観察して、割り箸で虫を捕まえては退治していたのである。
虫の方が神出鬼没だったのは言うまでもないが、探り当てるのもゲーム感覚で“取り物帖”のようなものなのである。
流鏑馬という武骨な名に似つかわしくない優美な花が咲いた
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