銀色と青色に輝く30センチ級の特大サイズが十数本もトロ箱の氷水の中に詰まっている。
送り主は東京勤務時代に知り合った盛岡に住む岩手日報社の友人。
毎年送ってくれている。ありがたいことだ。
自分の所だけではとても食べ切れないので、ご近所や近くに住む娘におすそ分けして喜ばれる。
大船渡に水揚げされた秋刀魚だ。
大船渡に足を運んだことがあるが、復興は徐々にだが進んでいる。
こうして震災被害に遭った街が甦っていく。それが何より。
今年は不漁だと聞いていたので心配していたが、ぼちぼち漁獲量が増えているらしい。
さっそく夕食に塩焼きと刺身にして夫婦2本づついただく。何という贅沢!
新鮮な秋刀魚だからはらわたが美味しい。身の部分よりまず先にはらわたから箸をつける。たっぷりの大根おろしとともに口に入れるとほろ苦さが何とも言えない。旬の味覚を実感する。
はらわたを喜んで食べるような魚はほかにはない。それだけでも秋刀魚の価値は特別である。
普段は赤ワインを夕食に沿えるが、久しぶりに白ワインを冷やした。
白ワインがひときわ美味しい。白ワインとともに焼いた秋刀魚がまた一段とおいしくなる。
美味しさの螺旋階段をどんどん登っていくがごとしである。
刺身もまた絶品。脂が乗っていて醤油をつけると醤油の皿に秋刀魚の脂がサーッと溶ける。
合間に白ワインを口に運ぶ。刺身、白ワイン、塩焼き、白ワイン、刺身、白ワイン…、大変に結構な螺旋階段ではないか。
秋刀魚はツンと澄ましたりしていない。そこがまた好ましい。大衆魚なのである。加えて白銀に光るスマートな姿はとても美しい。
今年は少し高値のようだが、本来は安価である。庶民の味方なのである。
しかも、秋刀魚には血液の流れを良くするエイコサペンタエン酸が含まれているから脳梗塞や心筋梗塞などの予防に役立つという。さらにドコサヘキサエン酸とやらも豊富で、この酸は悪玉コレステロールを減らす作用があるから脳細胞を活性化させ、頭の回転を良くする効果もあるんだそうな。
そのほかにもヒトに役立つ栄養素、ビタミン類が豊富、とものの本にある。
長年、不規則で不節制に過ごしてきた身には些か手遅れの感なしと言えなくもないが、美味しければそれだけでも十分。
かくして我が家の豪勢な夕食は今宵も続く。そうだ、白ワインを手に入れてこなければ。岩手の友人に感謝しつつ。
特大秋刀魚がぎっしり
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